綸言汗のごとし
- 出典:『礼記』緇衣(ウィキソース「禮記/緇衣」参照)、『漢書』劉向伝(ウィキソース「漢書/卷036」参照)
- 解釈:天子の言葉は、一度口から出れば取り消せないことの喩え。「綸言」は、天子の言葉。この成語は『礼記』が出典の「綸言」と、『漢書』が出典の「号令汗のごとし」とが合わされて出来たものと思われる。
- 礼記 … 四十九編。儒教の経書の一つ。礼についての多くの説を集録したもの。五経の一つ。十三経の一つ。ウィキペディア【礼記】参照。
- 漢書 … 百二十巻。前漢の歴史を記した歴史書。後漢の班固の撰著。二十四史の一つ。ウィキペディア【漢書】参照。
〔礼記、緇衣〕
子曰、王言如絲、其出如綸。
子曰く、王の言糸の如く、其の出づるや綸の如し。
〔漢書、劉向伝〕
詩云、我心匪石、不可轉也。言守善篤也。易曰、渙汗其大號。言號令如汗、汗出而不反者也。
詩に云く、我が心は石に匪ず、転ず可からず、と。言うこころは善を守ること篤きなり。易に云く、渙するときは其の大号を汗にす、と。言うこころは号令は汗の如くにして、汗は出でて反らざる者なり。
- 詩 … 『詩経』国風、邶風、柏舟。ウィキソース「詩經/柏舟」参照。
- 易 … 『易経』渙卦。ウィキソース「周易/渙」参照。
- 渙 … 水が流れ広がるように、周囲に大号令を出すこと。
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