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沐猴にして冠す

沐猴もっこうにしてかん
  • 出典:『史記』項羽本紀
  • 解釈:見かけだけは立派だが、心が卑しく、君主の地位にふさわしくない人物であることのたとえ。「沐猴」は猿。
  • 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀12巻、表10巻、書8巻、世家30巻、列伝70巻の全130巻。ウィキペディア【史記】参照。
項王見秦宮室皆以燒殘破、又心懷思、欲東歸。曰、富貴不歸故郷、如衣繍夜行。誰知之者。
項王こうおうしんきゅうしつみなもっけて残破ざんぱせるをまたこころ懐思かいしして、ひがしかえらんとほっす。いわく、ふうにしてきょうかえらざるは、しゅうよるくがごとし。たれこれものぞ、と。
説者曰、人言、楚人沐猴而冠耳。果然。項王聞之、烹説者。
説者ぜいしゃいわく、ひとう、ひと沐猴もっこうしてかんするのみ、と。たしてしかり、と。項王こうおうこれき、説者ぜいしゃる。
  • 説者 … ある意見を説く人。
  • 沐猴 … さる。
  • 冠 … 「かむりす」とも読む。
  • 耳 … 「~のみ」と読む。文末におかれ、「~なのである」と訳す。
  • 果然 … やはりそのとおりだ。
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ま行 や行 ら行・わ