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夫の人の子を賊わん

ひとそこなわん
  • 出典:『論語』先進第十一24(ウィキソース「論語/先進第十一」参照)
  • 解釈:あの将来のある若者をだめにしてしまうだろう。「夫」は、あの。「人の子」は、他人の大切な子供。年少者を呼ぶ形式。「賊」は、そこなう。傷つける。台無しにする。子路が後輩のこうを費の宰(代官)に推挙した。それを聞いて孔子がいった言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子路使子羔爲費宰。子曰、賊夫人之子。子路曰、有民人焉、有社稷焉。何必讀書、然後爲學。子曰、是故惡夫佞者。
子路しろこうをしてさいらしむ。いわく、ひとそこなわん。子路しろいわく、民人みんじんり、しゃしょくり。なんかならずしもしょみて、しかのちがくさん。いわく、ゆえ佞者ねいしゃにくむ。
  • 子路 … 前542~前480。姓はちゅう、名は由。あざなは子路、または季路。魯のべんの人。孔門十哲のひとり。孔子より九歳年下。門人中最年長者。政治的才能があり、また正義感が強く武勇にも優れていた。ウィキペディア【子路】参照。
  • 子羔 … 前521~?。孔子の門人。姓はこう、名はさいあざなこう。衛の人。また斉、また鄭の人。子路が彼を費の宰(代官)とした。孔子に「柴や愚」と評された。ウィキペディア【高柴】(中文)参照。
  • 費 … 季氏の領地の名。季氏の本拠地。
  • 宰 … 長官。代官。
  • 賊 … そこなう。傷つける。台無しにする。
  • 夫人之子 … 「かのひとのこ」と読む。あの若者。「夫」は、あの。「人之子」は、他人の大切な子供。ここでは、子羔を指す。
  • 民人 … 人民。
  • 社稷 … 「社」は、土地の神。「稷」は、五穀の神。この二神を国の守り神として必ず祭った。双声(二字の語頭子音が同じ)語。ここでは国家の意ではない。呉智英『現代人の論語』では「伝統文化」と訳している。
  • 何必読書、然後為学 … 書物を読むことだけが学問だと、どうして決められましょうか。「何必~為~」は「なんぞ必ずしも~せんや」と読む。
  • 佞者 … 口のうまい人。強弁者。佞人。「公冶長第五4」参照。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「先進第十一24」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句