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疑心暗鬼を生ず

しんあんしょう
  • 出典:『列子鬳斎けんさいこう』(国立国会図書館デジタルコレクション「列子鬳齋口義2卷」参照)
  • 解釈:一度疑い出すと、何でもない事まで信じられなくなり、恐ろしく感じられること。
  • 列子鬳斎口義 … 『列子』の注釈書。林希逸(1193~1271)著。『沖虚至徳真経鬳斎口義』とも。ウィキペディア【林希逸】(中文)参照。
  • 列子 … 八巻。道家の思想書。戦国時代の道家の思想家、れつ禦寇ぎょこうの作といわれる。寓話が多く、独創性が低い。ウィキペディア【列子】参照。
〔列子、説符〕
人有亡鈇者、意其鄰之子、視其行歩、竊鈇也。顏色竊鈇也。言語竊鈇也。動作態度、無爲而不竊鈇也。俄而抇其谷、而得其鈇、他日復見其鄰人之子、動作態度、無似竊鈇者。
ひとうしなえるものり、となりうたがう。こうるに、ぬすめるなり。がんしょくぬすめるなり。げんぬすめるなり。作動さくどうたいすとしてぬすまざるはし。にわかにしてたにりて、たり、じつ隣人りんじんるに、どうたいぬすめるにたるものし。
  • 鈇 … 斧。
  • 意う … 疑う。
  • 谷 … 窪地。
  • 他日 … 後日。
〔鬳斎口義〕
此章猶諺言。諺曰、疑心生暗鬼也。心有所疑、其人雖不竊鈇、而我以疑心視之、則其件件皆可疑。
しょう諺言げんげんのごとし。ことわざいわく、しんあんしょうず、と。こころうたがところれば、ひとぬすまずといえども、われしんもっこれれば、すなわ件件けんけんみなうたがし。
  • 諺言 … ことわざ。
  • 件件 … いろいろな事がらすべて。
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