鴛鴦の契り
鴛鴦の契り
- 出典:『捜神記』巻十一(ウィキソース「搜神記/第11卷」参照)
- 解釈:夫婦仲が非常にむつまじいことの喩え。
- 搜神記 … 六朝時代の志怪小説集。二十巻四百六十四条。晋の干宝著。現在、二十巻本、八巻本、敦煌本が伝わる。怪異・妖怪・鬼神・神霊・禽獣・博物・伝説・神仙などの説話を収める。ウィキペディア【搜神記】参照。
王曰、爾夫婦、相愛不已。若能使冢合、則吾弗阻也。
王曰く、爾ら夫婦、相愛して已まず。若し能く冢をして合せしむれば、則ち吾も阻まざるなり、と。
- 冢 … 土を大きく盛った墓。
宿昔之間、便有大梓木、生於二冢之端、旬日而大盈抱、屈體相就、根交於下、枝錯於上。
宿昔の間、便ち大なる梓木有りて、二つの冢の端に生じ、旬日にして大なること抱に盈ち、体を屈して相就き、根は下に交わり、枝は上に錯わる。
- 宿昔 … ここでは、ひと晩。
- 梓木 … あずさの木。
- 旬日 … 十日ばかり。
- 大いさ … 大きさ。
又有鴛鴦、雌雄各一。恆棲樹上、晨夕不去、交頸悲鳴、音聲感人。
又鴛鴦有り、雌雄各〻一なり。恒に樹上に棲み、晨夕去らず、頸を交えて悲しく鳴き、音声人を感ぜしむ。
- 鴛鴦 … おしどり。「鴛」は、おしどりの雄、「鴦」は、雌。
- 晨夕 … 朝夕。
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