武断
武断
- 出典:『史記』平準書(ウィキソース「史記/卷030」参照)
- 解釈:武力で押さえつけて政治を行うこと。また、威力によって勝手に物事を行うこと。
漢の武帝が即位されてから数年間は、ちょうど漢朝が興ってからの七十余年で、国家には何事もなかった。この当時、法令は簡略で民は富み、労役を課して財物を蓄え、財政は豊かであった。時には他人の土地と財貨を強奪する豪族たちが、村里で自分たちの思うがままに振る舞っていたという。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
至今上即位數歳、漢興七十餘年之閒、國家無事。
今上位に即くに至りて数歳、漢興りて七十余年の間、国家事無し。
- 今上 … 当代の天子。ここでは、漢の武帝を指す。在位期間は前141~前87。ウィキペディア【武帝 (漢)】参照。
- 数歳 … 数年。
- 漢 … 漢朝。
……當此之時、網、疏而民富、役財驕溢、或至兼幷豪黨之徒、以武斷於郷曲。
……此の時に当たり、網、疏にして民富み、役財驕溢し、或いは兼幷豪党の徒、以て郷曲を武断するに至る。
- 網 … 法網。法令。
- 疏 … 簡略。疎に同じ。
- 驕溢 … 驕って分に過ぎるさま。
- 兼幷豪党之徒 … 他人の土地と財貨を兼ね合わせて強奪する豪族の仲間。
- 郷曲 … 片田舎。曲は、隅。

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