烏有
烏有
- 出典:『史記』司馬相如伝
- 解釈:何もかもなくなること。我が国では「烏有に帰す」という形でも使われるようになった。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀12巻、表10巻、書8巻、世家30巻、列伝70巻の全130巻。ウィキペディア【史記】参照。
相如以、子虚虚言也。爲楚稱。烏有先生者、烏有此事也。爲齊難。無是公者、無是人也。明天子之義。
相如以えらく、子虚とは虚言なり。楚の為に称す。烏有先生とは、烏くんぞ此の事有らんやなり。斉の為に難ず。無是公とは、是の人無きなり。天子の義を明らかにす、と。
- 相如 … 司馬相如。前179~前117。前漢の文人。辞賦にすぐれた。ウィキペディア【司馬相如】参照。
- 以 … ~とおもう。
- 子虚 … 架空の人物名。
- 虚言 … そらごと。
- 為楚 … 楚の国をほめたたえるために。
- 烏有先生 … 架空の人物を文章の中で想定して呼ぶときのことば。なお、ここでの「烏」はカラスの意ではなく、「いずくんぞ~」と読む副詞。
- 無是公 … 『漢書』では「亡是公」に作る。
- 義 … 道義。正しい道。
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