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民得て称する無し

たみしょうする
  • 出典:『論語』泰伯第八1(ウィキソース「論語/泰伯第八」参照)
  • 解釈:泰伯たいはくはひそかに天下を弟に譲ったので、人民はそれを称賛することがなかった。泰伯を称えた孔子の言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、泰伯其可謂至德也已矣。三以天下讓、民無得而稱焉
いわく、泰伯たいはくとくきのみ。たびてんもっゆずり、たみしょうするし。
  • 泰伯 … 周の太王(こうたん)の長子。太伯とも。太王には泰伯・仲雍(ちゅう)・れきの三人の子があった。季歴の子が後の文王である。太王は文王に君主の位を嗣がせたいと考えていた。泰伯は太王の意向を察し、仲雍を誘って南方へ身を隠した。ウィキペディア【太伯・虞仲】参照。
  • 至徳 … 最上の徳をそなえた人。
  • 也已矣 … 「のみ」と読み、「~なのだ」と訳す。強い断定をあらわす助辞。「也已」よりも強い。
  • 三譲 … 強く固辞すること。「三回固辞する」という解釈もある。
  • 天下 … 孔子の時代には周が天下を治めていたからの追称であるという説と、泰伯が天下を治めるほどの徳をもっていたのに、位を譲ったからこのような言い方をしているという説とがある。
  • 得而称 … 「得称(称することを得)」に同じ。
  • 称 … 称賛する。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「泰伯第八1」参照。
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