士は己を知る者の為に死す
士は己を知る者の為に死す
- 出典:『史記』刺客列伝・予譲(ウィキソース「史記/卷086」参照)
- 解釈:男子は自分の価値をわかって待遇してくれる人のためには、命をも投げ出す。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
趙襄子最怨智伯、漆其頭以爲飮器。
趙襄子、最も智伯を怨み、其の頭に漆して以て飲器と為す。
豫讓遁逃山中曰、嗟乎、士爲知己者死、女爲説己者容。
予譲、山中に遁逃して曰く、嗟乎、士は己を知る者の為に死し、女は己を説ぶ者の為に容づくる。
- 予譲 … 晋の刺客。主君の智伯を滅ぼした趙襄子を殺そうとしたが、失敗した。ウィキペディア【豫譲】参照。
- 遁逃 … こっそり隠れて逃れる。
- 嗟乎 … 嘆いて発する声。「嗟吁」「嗟于」「嗟呼」「嗟夫」とも書く。
- 女為説己者容 … 女は自分を愛してくれる男のために、いっそう美しくなろうとする。
今智伯知我。我必爲報讎而死、以報智伯、則吾魂魄不愧矣。
今、智伯、我を知る。我、必ず為に讎を報いて死し、以て智伯に報ぜん。則ち吾が魂魄、愧じざらん、と。
- 讎 … あだ。かたき。普通は「仇」と書く。
- 魂魄 … 霊魂。たましい。
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