尺牘書疏は千里の面目
尺牘書疏は千里の面目
- 出典:『顔氏家訓』雑芸(ウィキソース「顏氏家訓/卷第7」参照)
- 解釈:手紙の筆跡が上手なのは、千里の遠方にまで面目を施すことになる。江南地方のことわざ。「尺牘」「書疏」は、ともに手紙。「牘」は、文字を記す木の札。
- 余説:書家の顔真卿は、『顔氏家訓』を著した顔之推の五世の孫に当たる。
- 顔氏家訓 … 七巻二十篇。北斉の顔之推(531~590頃)の著。子孫への戒めとして記した家訓書。乱世を生き抜いた著者の豊かな人生経験に基づいて述べられている。ウィキペディア【顔氏家訓】参照。
真草書迹、微須留意。江南諺云、尺牘書疏、千里面目也。承晉宋餘俗、相與事之。故無頓狼狽者。
真草の書跡は、微かに須らく意を留むべし。江南の諺に云う、尺牘・書疏は、千里の面目なり、と。晋・宋の余俗を承け、相与に之を事とす。故に頓に狼狽する者無し。
- 真草 … 楷書と草書。
- 尺牘・書疏 … どちらも手紙。
- 余俗 … 前代から伝わった習慣。
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