『論語名句辞典』を出版しました。見出し句は類書中最大の981項目あります(うち
空見出し222項目を含む)。意味・原文・書き下し文・語釈付き。巻末に人名一覧・見出し句索引も収録しました。
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聖人に夢無し
- 出典:『荘子』大宗師(ウィキソース「莊子/大宗師」参照)、『淮南子』俶真訓(ウィキソース「淮南子/俶真訓」参照)
- 解釈:聖人は迷いがないから、眠っていても夢を見ない。
- 荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『南華真経』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。
- 淮南子 … 前漢時代の思想書。二十一巻。漢の劉安(前179~前122)編。道家思想を基本に、諸家の思想や学説が総合的に記述されている。ウィキペディア【淮南子】参照。
〔荘子、大宗師〕
古之眞人、其寢不夢、其覺無憂。其食不甘、其息深深。
古の真人は、其の寝ぬるや夢みず、其の覚むるや憂え無し。其の食は甘からず、其の息は深深たり。
- 其寝不夢 … 眠っているときには夢を見ない。
- 其覚無憂 … 起きているときには心配事がない。
- 其食不甘 … うまい物を食べるわけでもない。
- 其息深深 … 呼吸はゆったりとしている。
〔淮南子、俶真訓〕
夫聖人用心、杖性依神、相扶而得終始。是故其寐不夢、其覺不憂。
夫れ聖人の心を用うるや、性に杖り神に依り、相扶けて終始することを得。是の故に、其の寐ぬるや夢みず、其の覚むるや憂えず。
- 杖・依 … 拠り所とする。
- 性 … 性命。
- 神 … 精神。
- 寐 … ねむる。ねる。「寝」と同じ。
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