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聖人に夢無し

聖人せいじんゆめ
  • 出典:『荘子』大宗師(ウィキソース「莊子/大宗師」参照)、『淮南子』しゅくしん訓(ウィキソース「淮南子/俶真訓」参照)
  • 解釈:聖人は迷いがないから、眠っていても夢を見ない。
  • 荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『なんしんきょう』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。
  • 淮南子 … 前漢時代の思想書。二十一巻。漢のりゅうあん(前179~前122)編。道家思想を基本に、諸家の思想や学説が総合的に記述されている。ウィキペディア【淮南子】参照。
〔荘子、大宗師〕
古之眞人、其寢不夢、其覺無憂。其食不甘、其息深深。
いにしえ真人しんじんは、ぬるやゆめみず、むるやうれし。しょくあまからず、いき深深しんしんたり。
  • 其寝不夢 … 眠っているときには夢を見ない。
  • 其覚無憂 … 起きているときには心配事がない。
  • 其食不甘 … うまい物を食べるわけでもない。
  • 其息深深 … 呼吸はゆったりとしている。
〔淮南子、俶真訓〕
夫聖人用心、杖性依神、相扶而得終始。是故其寐不夢、其覺不憂。
聖人せいじんこころもちうるや、せいしんり、あいたすけてしゅうすることをゆえに、ぬるやゆめみず、むるやうれえず。
  • 杖・依 … 拠り所とする。
  • 性 … 性命。
  • 神 … 精神。
  • 寐 … ねむる。ねる。「寝」と同じ。
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