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五里霧中

五里(ごり)霧(む)中(ちゅう)
  • 出典:『後漢書』張楷伝(ウィキソース「後漢書/卷36」参照)
  • 解釈:物事の判断に迷い、方針や見込みが立たないこと。後漢の張(ちょう)楷(かい)が道術によって五里四方にわたる霧を起こしたという故事から。
  • 後漢書 … 後漢の歴史を記した歴史書。百二十巻。宋の范曄(はんよう)(398~445)の著。二十四史の一つ。ウィキペディア【後漢書】参照。
(楷)性好道術、能作五里霧。時關西人裴優亦能爲三里霧。自以、不如楷。從學之。楷避不肯見。
(楷(かい))、性(せい)、道(どう)術(じゅつ)を好(この)み、能(よ)く五里(ごり)の霧(きり)を作(な)す。時(とき)に関西(かんさい)の人(ひと)裴優(はいゆう)も亦(ま)た能(よ)く三(さん)里(り)の霧(きり)を為(な)す。自(みずか)ら以(おも)えらく、楷(かい)に如(し)かず、と。従(したが)いて之(これ)に学(まな)ばんとす。楷(かい)避(さ)けて肯(あ)えて見(み)ず。
  • 楷 … 後漢の学者、張楷。字は公超。ウィキペディア【張楷】参照。
  • 五里霧 … 五里四方を霧に包む道術。
  • 裴優 … 後漢の道術者。
桓帝即位、優遂行霧作賊。事覺被考。引楷、言從學術。楷坐繫廷尉詔獄。積二年、恆諷誦經籍、作尚書注。後、以事無驗、見原還家。
桓帝(かんてい)位(くらい)に即(つ)き、優(ゆう)、遂(つい)に霧(きり)を行(おこな)いて賊(ぞく)を作(な)さんとす。事(こと)覚(あらわ)れて考(こう)せらる。楷(かい)を引(ひ)き、従(したが)いて術(じゅつ)を学(まな)ぶと言(い)う。楷(かい)、坐(ざ)して廷(てい)尉(い)の詔(しょう)獄(ごく)に繋(つな)がる。積(つ)むこと二(に)年(ねん)、恒(つね)に経籍(けいせき)を諷(ふう)誦(しょう)し、尚(しょう)書(しょ)の注(ちゅう)を作(つく)る。後(のち)、事(こと)の験(しるし)無(な)きを以(もっ)て、原(ゆる)されて家(いえ)に還(かえ)る。
  • 桓帝 … 後漢の第11代皇帝。在位146~168年。姓名は劉志。ウィキペディア【桓帝 (漢)】参照。
  • 考 … 取り調べられる。
  • 廷尉 … 官名。刑罰をつかさどった。
  • 詔獄 … 牢獄。
  • 諷誦 … 詩文などをそらで読むこと。仏教では「フジュ」「フウジュ」と発音し、経文・偈(げ)頌(じゅ)などを声を出して読むこと。
  • 尚書 … 『書経』の別称。
  • 原 … 罪をゆるされる。
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