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三月、肉の味を知らず

三月さんげつにくあじらず
  • 出典:『論語』述而第七13(ウィキソース「論語/述而第七」参照)
  • 解釈:孔子がせいの国に滞在したとき、しょうの音楽を聴いて、その素晴らしさに感動し、数ヶ月うまい肉を食べてもその味に気づかなかった。「三月」は、ここでは数ヶ月の意。「韶」は、伝説の聖王、しゅんが作ったといわれる古典音楽。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子在齊聞韶。三月、不知肉味。曰、不圖爲樂之至於斯也。
せいりてしょうく。三月さんげつにくあじらず。いわく、はからざりき、がくつくることのここいたらんとは。
  • 斉 … 周代に太公望りょしょうの建てた国。今の山東省に存在した。桓公の代に管仲を用いて覇者となった。戦国時代の斉(田斉)と区別して姜斉ともいう。ウィキペディア【姜斉】参照。
  • 在斉 … 孔子が斉の国に滞在したのは、三十五歳から四十二、三歳までのことといわれている。
  • 韶 … 舜が作ったといわれる古典音楽。
  • 三月 … ここでは数ヶ月。なお、「三月」を前の句につけて、「韶を聞くこと三月」と読む説もある。
  • 不知肉味 … 心が音楽に奪われて、うまい肉を食べてもその味に気づかなかった。
  • 不図 … 「はからざりき」と読む。文頭につけ、「思いもよらなかった」「予期しなかった」と訳し、次の句を受ける。
  • 為楽之至於斯也 … 音楽がこれほどまでに素晴らしく作られるものとは。「為」は「作」に同じ。「斯」は「韶の音楽のような高い境地」を指す。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「述而第七13」参照。
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