両雄並び立たず

両（りょう）雄（ゆう）並（なら）び立（た）たず

出典：『史記』酈生（れきせい）陸（りく）賈（か）列伝・酈生（ウィキソース「史記/卷097」参照）
解釈：二人の英雄が両立することはできない。必ずどちらかが倒れるまで争うものである。「両雄倶（とも）には立たず」とも。

史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。

且兩雄不倶立。楚漢久相持不決。百姓騷動、海内搖蕩。農夫釋耒、工女下機。天下之心未有所定也。

且（か）つ両（りょう）雄（ゆう）は倶（とも）には立（た）たず。楚（そ）・漢（かん）久（ひさ）しく相（あい）持（じ）して決（けっ）せず。百（ひゃく）姓（せい）騒動（そうどう）し、海内（かいだい）揺蕩（ようとう）す。農（のう）夫（ふ）は耒（すき）を釈（す）て、工女（こうじょ）は機（はた）を下（くだ）る。天（てん）下（か）の心（こころ）未（いま）だ定（さだ）まる所（ところ）有（あ）らざるなり。

百姓 … 人民。
海内 … 国内。
揺蕩 … 動揺。
釈 … 「捨」に同じ。

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