隴を得て蜀を望む
隴を得て蜀を望む
- 後漢書 … 後漢の歴史を記した歴史書。百二十巻。宋の范曄(398~445)の著。二十四史の一つ。ウィキペディア【後漢書】参照。
〔後漢書、岑彭伝〕
兩城若下、便可將兵南撃蜀虜。人苦不知足。既平隴、復望蜀。毎一發兵、頭鬚爲白。
兩城若下、便可將兵南撃蜀虜。人苦不知足。既平隴、復望蜀。毎一發兵、頭鬚爲白。
両城若し下らば、便ち兵を将いて南のかた蜀虜を撃つ可し。人は足るを知らざるに苦しむ。既に隴を平らげ、復た蜀を望む。一たび兵を発する毎に、頭鬚為に白し。
- 頭鬚 … 頭髪とひげ。
〔晋書、宣帝紀〕
魏武曰、人苦無足。既得隴右、復欲得蜀。
魏武曰、人苦無足。既得隴右、復欲得蜀。
魏武曰く、人は足る無きに苦しむ。既に隴右を得て、復た蜀を得んと欲す、と。
- 魏武 … 曹操。
- 隴右 … 隴山(今の六盤山)より西の地方。隴西。
〔十八史略、東漢、世祖光武皇帝〕
上既平隴右曰、人苦不自足。既得隴復望蜀。
上既平隴右曰、人苦不自足。既得隴復望蜀。
上、既に隴右を平げて曰く、人自ら足れりとせざるを苦しむ。既に隴を得て復た蜀を望む、と。
- 上 … 光武帝を指す。
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