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隴を得て蜀を望む

ろうしょくのぞ
  • 出典:『後漢書』岑彭しんほう伝(ウィキソース「後漢書/卷17」参照)、『晋書』宣帝紀(ウィキソース「晉書/卷001」参照)、『十八史略』巻三・東漢・世祖光武皇帝(国立国会図書館デジタルコレクション「十八史畧 三」参照)
  • 解釈:一つの望みがかなってもそれに満足しないで、さらに次のものを求め望むこと。欲をいえばきりがないことの喩え。「隴」は、隴西ろうせいで、今の甘粛省のあたり。「蜀」は、今の四川省。「ぼうしょくたん」とも
  • 後漢書 … 後漢の歴史を記した歴史書。百二十巻。宋の范曄はんよう(398~445)の著。二十四史の一つ。ウィキペディア【後漢書】参照。
〔後漢書、岑彭伝〕
兩城若下、便可將兵南撃蜀虜。人苦不知足。既平隴、復望蜀。毎一發兵、頭鬚爲白。
両城りょうじょうくだらば、便すなわへいひきいてみなみのかたしょくりょし。ひとるをらざるにくるしむ。すでろうたいらげ、しょくのぞむ。ひとたびへいはっするごとに、頭鬚とうしゅためしろし。
  • 頭鬚 … 頭髪とひげ。
〔晋書、宣帝紀〕
魏武曰、人苦無足。既得隴右、復欲得蜀
魏武ぎぶいわく、ひときにくるしむ。すで隴右ろうゆうて、しょくんとほっす、と。
  • 魏武 … 曹操。
  • 隴右 … 隴山(今の六盤山)より西の地方。隴西。
〔十八史略、東漢、世祖光武皇帝〕
上既平隴右曰、人苦不自足。既得隴望蜀
しょうすで隴右ろうゆうたいらげていわく、ひとみずかれりとせざるをくるしむ。すでろうしょくのぞむ、と。
  • 上 … 光武帝を指す。
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