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里は仁なるを美しと為す

じんなるをしと
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、里仁爲美。擇不處仁、焉得知。
いわく、じんなるをしとす。えらんでじんらずんば、いずくんぞなるをん。
  • 里仁為美 … 村落は仁徳のある人が多く住んでいるところがよい。「里」は、二十五軒の家からなる集落。また荻生徂徠の説では「里仁為美」は古言であるとし、「里」を「居」と解して「仁にるをす」と読み、「仁の徳を行動の拠り所とするのが美しくよいことだ」と解釈している。また宮崎市定も「里仁為美」を古典の中の句であるとし、全文を「家を求めるには人氣のよい里がいちばんだ、という古語がある。どんなに骨を折って探しても、人氣の惡い場所に當ったら、それは選擇を誤ったと言うべきだ」と訳している(『論語の新研究』195頁)。
  • 美 … 立派である。理想的である。
  • 択 … 選び取る。選択する。
  • 処 … 居に同じ。
  • 知 … 智に同じ。
  • 択不処仁、焉得知 … 古注・新注ともに「住居を選んで仁者の里に住まなければ知者ではない」と解釈している。荻生徂徠はこの説を否定し、「人が行動の立場を仁にかなければ知者ではない」と抽象的に解釈している。
  • 焉 … 「いずくんぞ~ん(や)」と読む。「どうして~であろうか、いや~でない」と訳す。反語の形。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「里仁第四1」参照。
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