>   故事名言   >   ら行・わ   >   犂牛の子、騂くして且つ角あらば、用うること勿からんと欲す……

犂牛の子、騂くして且つ角あらば、用うること勿からんと欲すと雖も、山川其れ諸を舎てんや

ぎゅうあかくしてつのあらば、もちうることからんとほっすといえども、山川さんせんこれてんや
  • 出典:『論語』雍也第六4(ウィキソース「論語/雍也第六」参照)
  • 解釈:まだら牛の子でも、毛並みが赤くて立派なつのがあれば、祭祀のいけにえには使いたくないと思っていても、山川の神々がそれを見捨てておくであろうか。『史記』仲尼弟子列伝に「仲弓の父は賤人なり」とあり、貧しい階層の出身である仲弓を、孔子がまだら牛の子に喩えて励ました言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子謂仲弓曰、犂牛之子、騂且角、雖欲勿用、山川其舍諸
仲弓ちゅうきゅういていわく、ぎゅうあかくしてつのあらば、もちうることからんとほっすといえども、山川さんせんこれてんや。
  • 仲弓 … 前522~?。姓はぜん、名は雍、あざなは仲弓。魯の人。孔子より二十九歳若いという。徳行にすぐれていた。孔門十哲のひとり。ウィキペディア【仲弓】参照。
  • 謂 … 批評する。
  • 犂牛 … 黄と黒との混じった、まだらな、まじり毛の牛。まだら牛。農耕用の牛。「犂牛」に対し、いけにえに用いる牛を「ぎゅう」と言った。
  • 騂 … 赤い。いけにえにする赤い毛色の牛。
  • 角 … 立派な角。
  • 用 … 祭祀のいけにえに用いる。
  • 山川 … 山川の神。
  • 諸 … 「これ(を)~や」と読み、「どうして~か(いやそのようなことはない)」と訳す。反語の意を示す。本来は「之乎しこ」の二字を合わせて一字にしたもの。「これ(を)~や」(~之乎)と同じ。
  • 舎 … 「捨」に同じ。用いない。放っておく。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「雍也第六4」参照。
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論語の名言名句