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何ぞ傷まんや。亦た各〻其の志を言うなり

なんいたまんや。各〻おのおのこころざしうなり
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、何傷乎。亦各言其志也。曰、莫春者、春服既成。冠者五六人、童子六七人、浴乎沂、風乎舞雩、詠而歸。夫子喟然歎曰、吾與點也。
いわく、なんいたまんや。各〻おのおのこころざしうなり。いわく、しゅんには、しゅんぷくすでる。冠者かんじゃ六人ろくにんどう六七人ろくしちにんよくし、舞雩ぶうふうし、えいじてかえらん。ふうぜんとしてたんじていわく、われてんくみせん。
  • 何傷乎 … どうして心を傷めることがあろうか、いや何も気にすることはない。何も遠慮することはない。かまわないじゃないか。反語形。
  • 莫春 … 晩春。季春。陰暦の三月。「莫」は「暮」に同じ。
  • 春服 … 春着。
  • 既成 … 新しく仕立て上がる。
  • 冠者 … 元服をして冠をつけた二十歳ぐらいの青年。
  • 童子 … 元服していない、十五、六歳の少年。
  • 浴乎沂 … 沂水(きすい・ぎすい)のほとりの温泉に入浴する。「沂」は、曲阜の南を流れる川。そのほとりに温泉があったという。「乎」は「於」に同じ。
  • 舞雩 … 天をまつって雨乞いをするとき、舞を舞う祭壇。雨乞い台。
  • 風 … 涼しい風にふかれる。すずむ。
  • 詠 … 歌をうたう。
  • 喟然 … 嘆息するさま。
  • 歎 … 感嘆する。
  • 点 … 孔子の弟子、曾晳の名。前546~?。曾子の父。姓はそう、名はてん、またてんあざなは晳。子晳ともいう。ウィキペディア【曾点】(中文)参照。
  • 与 … 「くみす」と読む。賛成する。仲間になる。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「先進第十一25」参照。
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論語の名言名句