狂にして直ならず、侗にして愿ならず、悾悾として信ならざるは、吾之を知らず
狂にして直ならず、侗にして愿ならず、悾悾として信ならざるは、吾之を知らず
- 出典:『論語』泰伯第八16(ウィキソース「論語/泰伯第八」参照)
- 解釈:情熱的なくせに正直さがなく、無知なくせに律義さがなく、無能なくせに誠実でないとすれば、私には何ともしようがない。情熱的な人間には正直さ、無知な人間には律義さ、無能な人間には誠実さ、という具合にそれぞれ取り柄があるはずだが、そういう取り柄のない人間は、まったく手の施しようがないということ。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、狂而不直、侗而不愿、悾悾而不信、吾不知之矣。
子曰く、狂にして直ならず、侗にして愿ならず、悾悾として信ならざるは、吾之を知らず。
- 狂 … 熱狂的。情熱的。衝動的。
- 直 … 正直さ。率直さ。
- 侗 … 無知なさま。
- 愿 … まじめでつつしみ深い。律儀さ。
- 悾悾 … 無能なさま。馬鹿正直。
- 信 … 誠実さ。
- 吾不知之矣 … 私には何ともしようがない。「之」は、以上述べてきた種類の人間を指す。
- 詳しい注釈と現代語訳については「泰伯第八16」参照。
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