蝸牛角上の争い
蝸牛角上の争い
- 出典:『荘子』則陽(ウィキソース「莊子/則陽」参照)
- 解釈:つまらない事で争うこと。小国どうしの争い。「蝸牛」は、かたつむり。「蝸」のみでも、かたつむりの意。
- 荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『南華真経』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。
惠子聞之而見戴晉人。戴晉人曰、有所謂蝸者、君知之乎。曰、然。
恵子、之を聞きて戴晋人を見えしむ。戴晋人曰く、所謂蝸なる者有り、君之を知るか、と。曰く、然り、と。
- 戴晋人 … 在野の賢者。姓は戴、字は晋人。
- 蝸 … カタツムリ。
有國於蝸之左角者、曰觸氏。有國於蝸之右角者、曰蠻氏。時相與爭地而戰、伏尸數萬、逐北旬有五日而後反。
蝸の左角に国する者有り、触氏と曰う。蝸の右角に国する者有り、蛮氏と曰う。時に相与に地を争いて戦い、伏尸数万、北ぐるを逐いて旬有五日にして後反る、と。
- 伏尸 … 死骸。
- 北ぐる … 敵に背を向けてにげる。
- 旬有五日 … 十五日。旬は十日間。
君曰、噫其虚言與。曰、臣請爲君實之。君以意在四方上下、有窮乎。君曰、無窮。曰、知遊心於無窮、而反在通達之國、若存若亡乎。
君曰く、噫、其れ虚言か、と。曰く、臣請う、君の為に之を実にせん。君、意を以て四方上下に在りて、窮まり有るか、と。君曰く、窮まり無し、と。曰く、心を無窮に遊ばしむるを知りて、反りて通達の国に在るは、存するが若く亡きが若きか、と。
- 無窮 … 果てしがない無限の空間。
- 通達の国 … 有限の国土。
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