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夷狄の君有るは、諸夏の亡きに如かず

てききみるは、しょきにかず
  • 出典:『論語』八佾第三5(ウィキソース「論語/八佾第三」参照)
  • 解釈:礼楽のない未開国にたとえ君主がいても、今は無君主状態でも礼楽のある中華諸国にはとうてい及ばない。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、夷狄之有君、不如諸夏之亡也
いわく、てききみるは、しょきにかず。
  • 夷狄 … 未開民族。とう北狄ほくてき南蛮なんばん西せいじゅうの総称。なお、春秋時代では秦・楚・呉・越を夷狄と呼んだ。
  • 有君 … 君主がいる。明君がいる。
  • 諸夏 … 中華の諸国。「夏」は「華」に同じ。
  • 亡 … 「無」に同じ。『論語』では「亡」は目的語をとらない。
  • 不如 … 古注では「かず」と読み、「~に及ばない」と解釈している。新注では「ごとくならず」と読み、「~のようではない」と解釈している。
  • この章の解釈は、古注と新注とで正反対となっている。古注では「未開国は(野蛮であり)、たとえ君主がいても(礼楽がなく、文化水準が低いので)、とうてい(文明国である)中華諸国の無君主状態には及ばない」と解釈している。新注ではこのような古注の中華思想的解釈を改め、「未開国でさえ君主がいる。今の中華諸国のような上下の隔てのないような無秩序状態ではない」と解釈している。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「八佾第三5」参照。
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