色難し
色難し
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子夏問孝。子曰、色難。有事、弟子服其勞、有酒食、先生饌。曾是以爲孝乎。
子夏、孝を問う。子曰く、色難し。事有れば、弟子其の労に服し、酒食有れば、先生に饌す。曾ち是を以て孝と為さんや。
- 子夏 … 前507?~前420?。姓は卜、名は商、字は子夏。衛の人。孔子より四十四歳年少。孔門十哲のひとり。「文学には子游・子夏」といわれ、子游とともに文章・学問に優れていた。ウィキペディア【子夏】参照。
- 色難 … 「色」は、顔色・表情。古注では「色」を親の顔色とし、「父母の顔色を見て、気に入るように事えることは難しい」とする。新注では「色」を自分の顔色とし、「いつも自分の顔色を和らげて父母に事えることは難しい」とする。
- 事 … 仕事。ここでは骨の折れる仕事。
- 弟子 … ここでは若者・年少者。
- 服 … 従事する。
- 労 … 労働。労力。労苦。
- 酒食 … 酒と飯。「食」は、「し」と読む。「しょく」と読むと食べ物の意になる。
- 先生 … ここでは先に生まれた人。年長者・父兄。
- 饌 … 食事をすすめる。
- 曾 … 「すなわち」と読み、「まさか~ではあるまい」「よもや~ではあるまい」と訳す。反語の意を示す。
- 是以 … 「ここをもって」と読み、「こういうわけで」「このゆえに」「それゆえに」「だから」と訳す。「以是」は「これをもって」と読み、「この点から」「これにより」「これを用いて」と訳す。
- 乎 … 「か」「や」と読み、「~であろうか」と訳す。
- 詳しい注釈と現代語訳については「為政第二8」参照。
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