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言之に及びて言わず、之を隠と謂う

げんこれおよびてわず、これいん
  • 出典:『論語』季氏第十六6(ウィキソース「論語/季氏第十六」参照)
  • 解釈:言うべき時に言わない、これを「いん」(引っ込み思案)という。目上の人のそば近くに仕えるとき、犯しやすい三つの過ちの一つ。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
孔子曰、侍於君子有三愆。言未及之而言、謂之躁。言及之而不言、謂之隱。未見顏色而言、謂之瞽。
こういわく、くんするに三愆さんけんり。げんいまこれおよばずしてう、これそうう。げんこれおよびてわず、これいんう。いまがんしょくずしてう、これう。
  • 君子 … ここでは、目上の人。
  • 侍 … そばに控える。そば近く仕える。
  • 愆 … 過ち。過失。
  • 言未及之而言 … 言うべきでないのに言う。目上の人にまだ話しかけられていないのに言う。
  • 躁 … 騒がしい。そそっかしい。軽率。軽はずみ。
  • 言及之而不言 … 言うべき時に言わない。
  • 隠 … 率直でない。引っ込み思案。
  • 未見顔色而言 … 相手の顔色を見ずに言う。相手の気持ちをまったく考えないで言う。
  • 顔色 … 顔色かおいろ。顔つき。
  • 瞽 … 目が見えない人。転じて、物事を見ぬく力の働かない人。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「季氏第十六6」参照。
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論語の名言名句