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秋夜寄丘二十二員外(韋応物)

秋夜寄丘二十二員外
しゅうきゅうじゅう員外いんがい
おうぶつ
  • 五言絶句。天・眠(平声先韻)。
  • 『唐詩三百首』五言絶句所収。『全唐詩』巻一百八十八所収。ウィキソース「秋夜寄丘二十二員外」参照。
  • 丘二十二員外 … 丘は姓、丘丹。二十二は排行。員外は官名、員外郎。長官の補佐役。
  • 秋夜寄丘二十二員外 … 『唐詩三百首』等では「秋夜寄丘員外」に作る。ウィキソース「秋夜寄丘員外」参照。
  • 韋応物 … 736~791?。中唐の詩人。長安(陝西せんせい省西安市)の人。じょしゅう(安徽省)刺史や江州(江西省)刺史等を歴任したが、最後の官が蘇州刺史だったので、韋蘇州と呼ばれた。自然を対象とした詩が多く、自然詩人といわれた。『韋江州集』十巻、『韋蘇州集』十巻がある。ウィキペディア【韋応物】参照。
懷君屬秋夜
きみおもいて しゅうぞく
  • 懐 … 懐かしく思う。
  • 属 … ちょうど~にあたる。今ちょうどそのときである。
散歩詠涼天
さんして りょうてんえい
  • 散歩 … ぶらぶら歩く。散策する。
  • 涼天 … 秋の涼しい夜空。
  • 詠 … 詩を口ずさむ。底本では「咏」に作るが改めた。同義。
山空松子落
やまむなしくして しょう
  • 山空 … 山はひとがなくて、ひっそりしている様子。『唐詩三百首』では「空山」に作る。
  • 松子 … 松かさ。松ぼっくり。
  • 落 … 落ちる音が聞こえる。
幽人應未眠
幽人ゆうじん まさいまねむらざるべし
  • 幽人 … 俗世間を離れてひっそり暮らしている人。隠者。丘丹を指す。
  • 応 … 「まさに~すべし」と読み、「きっと~であろう」と訳す。再読文字。強い推量の意を示す。
  • 未 … 通常は「いまだ~(せ)ず」と読み、「まだ~しない」と訳す。再読文字。ここでは「いまだ~ざる」と読む。
  • 応未眠 … きっとまだ眠らずにいることだろう。
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