予が足を啓け、予が手を啓け
予が足を啓け、予が手を啓け
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
曾子有疾。召門弟子曰、啓予足、啓予手。詩云、戰戰兢兢、如臨深淵、如履薄冰。而今而後、吾知免夫、小子。
曾子、疾有り。門弟子を召して曰く、予が足を啓け、予が手を啓け。詩に云う、戦戦兢兢として、深淵に臨むが如く、薄冰を履むが如しと。而今よりして後、吾免るるを知るかな、小子。
- 曾子 … 姓は曾、名は参、字は子輿。魯の人。孔子より四十六歳年少の門人。『孝経』を著した。ウィキペディア【曾子】参照。
- 有疾 … ここでは病気が危篤のとき。
- 門弟子 … 曾子の門弟。弟子たち。門人たち。
- 啓 … 開く。開放する。「夜具を開く」の意もある。
- 詩 … 『詩経』小雅・小旻の句。ウィキソース「詩經/小旻」参照。
- 戦戦 … 恐れおののくさま。
- 兢兢 … つつしみ恐れるさま。
- 臨深淵 … 一歩間違えば、深い淵に墜落するのを恐れる。
- 履薄冰 … 薄い氷を踏めば、陥るのを恐れる。
- 而今而後 … 今より以後。今後。「而今而後」とも読む。
- 吾知免夫 … 私はもう、そういう心配がなくなったなあ。「夫」は「かな」と読み、「~だなあ」と訳す。詠嘆の意を示す。
- 小子 … 諸君。お前たちよ。先生が門人に呼びかける言葉。
- 詳しい注釈と現代語訳については「泰伯第八3」参照。
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