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小道と雖も、必ず観る可き者有り。遠きを致すには恐らく泥まん

しょうどういえども、かならものり。とおきをいたすにはおそらくなずまん
  • 出典:『論語』子張第十九4(ウィキソース「論語/子張第十九」参照)
  • 解釈:わずかな技芸の類でも必ず取り柄はあるだろう。しかし、遠大なこと、すなわち君子の道に到達しようとすると、それが障害になる。君子の道を目指す者は、芸達者になってはいけないということ。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子夏曰、雖小道、必有可觀者焉。致遠恐泥。是以君子不爲也。
子夏しかいわく、しょうどういえども、かならものり。とおきをいたすにはおそらくなずまん。ここもっくんさざるなり。
  • 子夏 … 前507?~前420?。姓はぼく、名は商、あざなは子夏。衛の人。孔子より四十四歳年少。孔門十哲のひとり。「文学には子游・子夏」といわれ、子游とともに文章・学問に優れていた。ウィキペディア【子夏】参照。
  • 小道 … 一芸一能の小さい道。各種の技芸の類。当時は、農業・医術・卜筮ぼくぜいなどの技術から、碁・将棋などを指したらしい。
  • 致遠 … 遠大なことに到達しようとする。遠大なこととは、君子の道を指す。
  • 泥 … 泥土に足を踏み入れたように、動きがとれないようになる。邪魔になる。障害になる。
  • 是以 … 「ここをもって」と読み、「こういうわけで」「このゆえに」「それゆえに」「だから」と訳す。「以是」は「これをもって」と読み、「この点から」「これにより」「これを用いて」と訳す。
  • 不為也 … 「まなばざるなり」と読んでもよい。習おうとしない。やらない。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子張第十九4」参照。
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