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多しと雖も亦た奚を以て為さん

おおしといえどなにもっさん
  • 出典:『論語』子路第十三5(ウィキソース「論語/子路第十三」参照)
  • 解釈:いくらたくさん詩を暗誦していても、何の役に立とうか。いかに多くの教養があっても、何の役にも立たない。『詩経』を暗誦し教養を身につけても、外交など実践の場で応用できなければ役に立たないということ。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、誦詩三百、授之以政不達。使於四方、不能專對、雖多亦奚以爲
いわく、さんびゃくしょうすれども、これさずくるにまつりごともってしてたっせず。ほう使つかいして、専対せんたいすることあたわずんば、おおしといえどなにもっさん。
  • 詩三百 … 『詩経』三百篇。「三百」とは、概数。現今の『詩経』は三百五篇。もともと三百十一篇あったが、そのうちの六篇は題名のみ伝わる。孔子が編集したといわれている。ウィキペディア【詩経】参照。
  • 誦 … 暗誦する。
  • 授之以政 … その人に政治を任せる。「之」は、『詩経』三百篇を全部暗誦している人。
  • 不達 … うまくこなせない。任務を果たせない。
  • 四方 … 四方の国々。
  • 専対 … 外交使節として自分の考えだけで応対する。当時は『詩経』の詩句を引用して会話したという。
  • 雖多 … 詩をいくらたくさん暗誦していたとしても。
  • 奚以為 … 何の役に立とうか、いや、立たない。反語の形。「奚」は「何」に同じ。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子路第十三5」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句