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己を恭しくし、正しく南面するのみ

おのれうやうやしくし、ただしく南面なんめんするのみ
  • 出典:『論語』衛霊公第十五4(ウィキソース「論語/衞靈公第十五」参照)
  • 解釈:舜帝はうやうやしく南に面して天子の座についておられただけで、天下がうまく治まった。人為を加えずに天下をうまく治めた舜帝を称賛した言葉。「南面」は、天子が南に面して座につくこと。すなわち、君主の位につくこと。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、無爲而治者、其舜也與。夫何爲哉。恭己正南面而已矣
いわく、無為むいにしておさむるものは、しゅんか。なにをかすや。おのれうやうやしくし、ただしく南面なんめんするのみ。
  • 無為 … 何もしない。人為を加えない。
  • 治者 … 天下をうまく治めた人。
  • 其舜也与 … まあ舜帝だろうね。「其」は強調の語。「与」は「か」と読む。
  • 舜 … 古代の伝説上の聖天子。姓はように国を建てたのでしゅん、またはゆう氏と呼ばれる。堯から譲位を受け皇帝となった。ウィキペディア【】参照。
  • 夫 … 「それ」と読む。いったい。
  • 何為哉 … 何をしたであろうか。
  • 恭己 … 自分の身を慎み深くする。
  • 正 … きちんと。
  • 南面 … 天子が南に面して座につくこと。すなわち、君主の位につくこと。
  • 而已矣 … 「のみ」と読む。~だけだ。~にすぎない。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「衛霊公第十五4」参照。
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た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句