錦を衣て郷に還る
錦を衣て郷に還る
〔梁書、劉之遴伝〕
高祖謂曰、卿母年德並高。故令卿衣錦還郷、盡榮養之理。
高祖謂曰、卿母年德並高。故令卿衣錦還郷、盡榮養之理。
高祖謂いて曰く、卿の母は、年徳並びに高し。故に卿をして錦を衣て郷に還り、栄養の理を尽くさしめん、と。
- 高祖 … 梁の武帝、蕭衍。在位502~549年。ウィキペディア【蕭衍】参照。
- 卿 … 君主が身分のある臣下に呼びかける言葉。
- 年徳 … 年齢と徳望。
- 錦 … 金糸や色糸を織りこんだ美しい模様の絹織物。高位高官が身につける着物。
- 栄養 … 親に美服・おいしい食事を進めて孝養をつくすこと。
〔南史、柳慶遠伝〕
出爲雍州刺史、加都督。帝餞於新亭、謂曰、卿衣錦還郷。朕無西顧憂矣。
出爲雍州刺史、加都督。帝餞於新亭、謂曰、卿衣錦還郷。朕無西顧憂矣。
出でて雍州刺史と為り、都督を加う。帝新亭に餞り、謂いて曰く、卿錦を衣て郷に還る。朕西顧の憂い無し、と。
- 雍州 … 現在の陝西省・甘粛省および青海省の一部にあたる。ウィキペディア【雍州】参照。
- 刺史 … 長官。
- 都督 … 軍司令官。
- 帝 … 梁の武帝を指す。
- 西顧憂 … 西方に対する心配。
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