満を持す
満を持す
- 出典:『史記』李将軍列伝(ウィキソース「史記/卷109」参照)
- 解釈:弓を十分に引き絞って、まだ放たずにいる状態のこと。転じて、十分用意を整えて、機会を待つことのたとえ。
前漢の将軍李広は、匈奴との戦いに出陣したが、匈奴軍の急襲に遭い、矢が雨のように飛んできて、漢兵の死者が半数を超えた。そこで李広将軍は、兵士に弓を引き絞ったまま発射しないように命じ、自ら大黄という大弩で敵の副将を撃ち、数人を殺したという故事に基づく。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
胡急撃之、矢下如雨。漢兵死者過半、漢矢且盡。廣乃令士持滿毋發、而廣身自以大黃射其裨將、殺數人。
胡、急に之を撃ち、矢下ること雨の如し。漢の兵死する者過半、漢の矢且に尽きんとす。広乃ち士をして満を持して発する毋からしめ、而して広身自ら大黄を以て其の裨将を射、数人を殺す。
- 胡 … ここでは、匈奴を指す。
- 如雨 … 多いことのたとえ。
- 広 … 漢の将軍李広。?~前119。李陵の祖父。文帝のとき匈奴を討って功を立て、武帝のとき北平太守となる。匈奴から飛将軍といって恐れられた。ウィキペディア【李広】参照。
- 大黄 … 弩弓(石弓)の一種で、黄色く大きいもの。
- 裨将 … 副将。

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