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焉くんぞ佞を用いん。人に禦るに口給を以てすれば、屢〻人に憎まる。其の仁なるを知らず

いずくんぞねいもちいん。ひとあたるにこうきゅうもってすれば、屢〻しばしばひとにくまる。じんなるをらず
  • 出典:『論語』公冶長第五4(ウィキソース「論語/公冶長第五」参照)
  • 解釈:どうして弁が立つ必要があろうか。人に応対するとき、口が達者であると、かえって憎まれたりするものだ。彼が仁者であるかどうかは知らないが。弟子の仲弓のことをある人が「彼は仁者だが、弁が立たない」と批評したのに対し、孔子が反論した言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
或曰、雍也仁而不佞。子曰、焉用佞。禦人以口給、屢憎於人。不知其仁。焉用佞。
あるひといわく、ようや、じんにしてねいならず。いわく、いずくんぞねいもちいん。ひとあたるにこうきゅうもってすれば、屢〻しばしばひとにくまる。じんなるをらず。いずくんぞねいもちいん。
  • 或 … 「あるひと」と読む。
  • 雍 … 前522~?。姓はぜん、名は雍、あざなは仲弓。魯の人。孔子より二十九歳若いという。徳行にすぐれていた。孔門十哲のひとり。ウィキペディア【仲弓】参照。
  • 佞 … 人あたりがよくて、口先がうまいこと。
  • 焉用佞 … どうして弁舌の必要があろうか。「焉」は「どうして~であろうか(いや~でない)」と訳す。反語の意を表す。
  • 禦 … 「ふせぐ」「こたうる」とも読む。「応対する」「抗弁する」等の意。
  • 口給 … 口数を多く出すこと。口が達者なこと。口才。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「公冶長第五4」参照。
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た行 な行 は行
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論語の名言名句