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人自ら絶たんと欲すと雖も、其れ何ぞ日月を傷らんや

ひとみずかたんとほっすといえども、なん日月じつげつやぶらんや
  • 出典:『論語』子張第十九24(ウィキソース「論語/子張第十九」参照)
  • 解釈:(孔子は太陽や月のような方です。)人が自分から絶交しようとしても、どうして太陽や月を傷つけることができましょうか。魯の大夫、しゅくそんしゅくが孔子の悪口を言ったのに対し、子貢が反論した言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
叔孫武叔、毀仲尼。子貢曰、無以爲也。仲尼不可毀也。他人之賢者丘陵也。猶可踰也。仲尼日月也。無得而踰焉。人雖欲自絶、其何傷於日月乎。多見其不知量也。
しゅくそんしゅくちゅうそしる。こういわく、もっきなり。ちゅうそしからざるなり。にん賢者けんじゃ丘陵きゅうりょうなり。きなり。ちゅう日月じつげつなり。ゆるし。ひとみずかたんとほっすといえども、なん日月じつげつやぶらんや。まさりょうらざるをあらわすなり。
  • 叔孫武叔 … 魯の大夫。名は州仇。武叔はそのおくりな。ウィキペディア【叔孙州仇】(中文)参照。
  • 仲尼 … 孔子のあざな
  • 毀 … 誹謗中傷する。悪口をいう。
  • 子貢 … 前520~前446。姓は端木たんぼく、名は。子貢はあざな。衛の人。孔子より三十一歳年少の門人。孔門十哲のひとり。弁舌・外交に優れていた。また、商才もあり、莫大な財産を残した。ウィキペディア【子貢】参照。
  • 無以為也 … そんなことを言うのはおやめなさい。
  • 他人之賢者 … 他の賢者。普通の賢者。
  • 丘陵 … 丘。築山。
  • 日月 … 太陽や月。
  • 自絶 … 自分から絶交する。
  • 何~乎 … 「なんぞ~ん(や)」と読み、「どうして~しようか、いや~(し)ない」と訳す。反語の意を示す。
  • 多 … 「まさに」と読み、「ほかでもなく~だけだ」と訳す。
  • 見不知量 … 自分の身のほど知らずをさらけ出す。「量」は、自分の器。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子張第十九24」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句