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破天荒

天荒てんこう
  • 出典:『北夢ほくぼうげん』巻四(ウィキソース「北夢瑣言/卷四」参照)、『唐摭言とうせきげん』巻二(ウィキソース「唐摭言/卷二」参照)
  • 解釈:人がまだやらなかったことを初めてやってのけること。「天荒」は、天地がまだ分かれていない混沌とした状態。「破」は、その状態を破ること。荊州には官吏出身者が多く、毎年、郷試に合格した挙人を都で行われる進士の試験に送ったが、合格する者がいなかった。人々は荊州から送られた受験者を「天荒解(不毛の地の受験者)」と呼んだ。やがて舎人の役にあったりゅうぜいが荊州から初めて都の試験に合格したので、人々は「破天荒(未開の状態を破った)」と呼んだという。
  • 北夢瑣言(ほくぼうさげん/ほくむさげん) … 二十巻。宋の孫光憲の撰。主として唐・五代・宋の逸事を載せている。三百三十余条ある。ウィキペディア【北梦琐言】(中文)参照。
  • 唐摭言 … 十五巻。五代の王定保の撰。百三門に分け、唐代貢挙の制や雑事について述べている。ウィキペディア【唐摭言】(中文)参照。
〔北夢瑣言、巻四〕
唐荊州衣冠藪澤、毎歳解送擧人、多不成名。號曰、天荒解。劉蛻舍人、以荊解及第。號爲破天荒
とうけいしゅうかん藪沢そうたく毎歳まいさい挙人きょじん解送かいそうするも、おおさず。ごうしていわく、天荒解てんこうかい、と。りゅうぜい舎人しゃじんけいかいもっきゅうだいす。ごうして天荒てんこうす。
  • 荊州 … 現在の湖北省一帯を指す。
  • 衣冠 … 官吏。
  • 藪沢 … 多く集まっている。
  • 毎歳 … 毎年。
  • 挙人 … 郷試に合格し、都で試験を受ける人。
  • 解送 … 郷試に合格した人を都へ送ること。
  • 天荒解 … 不毛の地からの受験者。
  • 舎人 … 侍従。
〔唐摭言、巻二、海述解送〕
荊南解、比號天荒。大中四年、劉蛻舍人、以是府解及第。時崔魏公作鎭、以破天荒、錢七十萬資蛻。
荊南けいなんかいこのごろ天荒てんこうごうす。だいちゅうねんりゅうぜい舎人しゃじんかいもっきゅうだいす。ときさいこうちんり、天荒てんこうもって、ぜにしちじゅうまんもてぜいす。
  • 大中四年 … 850年。
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