万緑叢中紅一点
万緑叢中紅一点
- 出典:『書言故事大全』巻十、花木類、紅一点(ウィキメディア・コモンズ「書言故事大全 第10冊」参照)
- 解釈:多くの緑の葉の中に、ただ一つの赤い花がある。転じて、多くの平凡なものの中に一つのすぐれたものがあることの喩え。また、多くの男性の中に女性が一人だけいることの喩え。
- 書言故事大全 … 類書。十二巻。宋の胡継宗撰。故事名言を十二支に分類し、解釈を加えている。
王荊公石榴詩、萬綠叢中紅一點、動人春色不須多。
王荊公の石榴の詩に、万緑叢中紅一点、人を動かす春色多きを須いず、と。
- 王荊公 … 北宋の政治家・文学者、王安石のこと。1021~1086。臨川(江西省)の人。字は介甫、号は半山。荊国公を贈られたので荊公とも呼ばれる。慶暦二年(1042)、進士に及第。新法を実行し政治改革を推進したが、のち保守派の反対によって辞職した。唐宋八大家の一人。詩文集『臨川先生文集』百巻がある。ウィキペディア【王安石】参照。
- 石榴 … ざくろ。
- 万緑叢中 … 多くの緑の葉の中。『全唐詩』では「濃綠萬枝」に作る。ウィキソース「全唐詩/卷796」参照。
- 紅一点 … 一つの赤い花。
- 動人 … 人の心を動かすこと。
- 春色 … 春の景色。
- 不須多 … 多くのものを必要としない。
- この詩は、一般に王安石の作であるとされているが、そうではないという説(范正敏『遯斎閑覧』)もあり、真偽の程は不明である。
こちらもオススメ!
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | な行 | は行 |
ま行 | や行 | ら行・わ |
論語の名言名句 |