長信秋詞(王昌齢)
長信秋詞
長信秋詞
長信秋詞
- 七言絶句。思・疑・時(平声支韻)。
- 長信秋詞 … 楽府題。長信宮の秋の歌。長信宮に孤独な秋の夜を過ごす班婕妤の嘆きを歌ったもの。『全唐詩』では「長信秋詞五首 其四」に作る。
- 王昌齢 … 698~755。盛唐の詩人。京兆(陝西省西安市)の人。字は少伯。開元十五年(727)、進士に及第。秘書省の校書郎に任ぜられたが、素行が悪かったため、竜標(湖南省黔陽)の尉に左遷された。のちに安禄山の乱が起こったので故郷に逃げ帰ったが、刺史の閭丘暁に殺されたという。李白とともに七言絶句の名手として有名。また、高適・岑参とともに辺塞詩人のひとりに数えられる。『王昌齢詩集』がある。ウィキペディア【王昌齢】参照。
眞成薄命久尋思
真成に薄命なるかと久しく尋思し
- 真成 … ほんとうに。真実に。
- 薄命 … 不幸せなこと。不運。薄運。
- 尋思 … いろいろ考えること。次々と思いをめぐらすこと。
夢見君王覺後疑
夢に君王を見 覚めて後疑う
火照西宮知夜飮
火は西宮を照らして夜飲を知る
- 西宮 … 長信宮。
- 夜飲 … 夜の酒宴。
分明複道奉恩時
分明なり 複道に恩を奉ぜし時
- 分明 … ありありと、はっきりとしていること。
- 複道 … 上下二層の渡り廊下。宮殿と宮殿とをつなぎ、上層は天子、下層は臣下が通った。『史記』留侯世家に「上、雒陽の南宮に在り、復道より諸将を望見するに、往往相与に沙中に坐して語る」(上在雒陽南宮、從復道望見諸將、往往相與坐沙中語)とあり、『集解』に「如淳曰く、上下に道有り、故に之を復道と謂う」(如淳曰、上下有道、故謂之復道)とある。ウィキソース「史記三家註/卷055」参照。
- 奉恩時 … 天子の寵愛を受けたとき。
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