>   漢詩   >   唐詩選   >   巻六 五絶   >   送朱大入秦(孟浩然)

送朱大入秦(孟浩然)

送朱大入秦
朱大しゅだいしんるをおく
もう浩然こうねん
  • 〔テキスト〕 『唐詩選』巻六、『全唐詩』巻一百六十、『孟浩然詩集』巻中(宋蜀刻本唐人集叢刊、略称:宋本)、『孟浩然集』巻四(『四部叢刊 初編集部』所収)、『孟浩然集』巻四(『四部備要 集部』所収、略称:四部備要本)、『孟浩然集』巻三(『唐五十家詩集』所収)、『孟浩然詩集』(元文四年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、153頁、略称:元文刊本)、『孟浩然詩集』巻中(元禄三年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、180頁、略称:元禄刊本)、『唐詩品彙』巻三十九、『古今詩刪』巻二十(『四庫全書 集部』所収)、他
  • 五言絶句。金・心(平声侵韻)。
  • ウィキソース「送朱大入秦」「孟浩然集 (四部叢刊本)/卷第四」参照。
  • 詩題 … 『宋本』では「送朱入秦」に作る。
  • 朱大 … 朱は姓。大は排行第一。人物については不詳であるが、遊俠の徒であったらしい。
  • 秦 … 長安の地。
  • 孟浩然 … 689~740。盛唐の詩人。じょうよう(湖北省)の人。名は浩、浩然はあざな。若い頃、科挙に及第できず、諸国を放浪した末、郷里の鹿門山に隠棲した。四十歳のとき、都に出て張九齢や王維らと親交を結んだが、仕官はできなかった。その後、張九齢がけいしゅう(湖北省)のちょう(地方長官の属官)に左遷されたとき、招かれてじゅう(輔佐官)となったが、まもなく辞任し、江南を放浪した末、郷里に帰ってまた隠棲生活に入り、一生を終えた。多く自然を歌い、王維と並び称される。「春眠暁を覚えず」で始まる「春暁」が最も有名。『孟浩然集』四巻がある。ウィキペディア【孟浩然】参照。
遊人五陵去
遊人ゆうじん りょう
  • 遊人 … 決まった生業や住居のない俠客。遊俠。
  • 五陵 … 五陵付近の地。五陵は、長安北郊の地名。漢の高祖(長陵)・恵帝(安陵)・景帝(陽陵)・武帝(茂陵)・昭帝(平陵)の陵墓があった。この付近には富豪や貴族の別荘があり、遊楽の地でもあったので遊俠の徒が多く集まっていた。
  • 五 … 『全唐詩』では「武」に作る。
寶劒直千金
宝剣ほうけん あたい千金せんきん
  • 直 … 『唐詩品彙』では「値」に作る。
分手脱相贈
わかつときだっしてあいおく
  • 手 … 『古今詩刪』では「首」に作る。
  • 相贈 … 相手に贈る。「相」は互いにの意ではない。
平生一片心
平生へいぜい 一片いっぺんこころ
  • 心 … まごころ。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行