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題義公禅房(孟浩然)

題義公禪房
義(ぎ)公(こう)の禅房(ぜんぼう)に題(だい)す
孟(もう)浩然(こうねん)
  • 五言律詩。林・深・陰・心(下平声侵韻)。
  • ウィキソース「望洞庭湖贈張丞相」「孟浩然集 (四部叢刊本)/卷第三」参照。
  • 詩題 … 『宋本』では「題大禹義公房」に作る。『四部叢刊本』『四部備要本』では「大禹寺義公禪」に作る。『唐五十家詩集本』では「大禹寺義公禪房」に作る。『全唐詩』では「題大禹寺義公禪房」に作る。『元文刊本』『元禄刊本』『唐詩別裁集』では「題義公禪房」に作る。
  • 禅房 … 坐禅を修する部屋。
  • 孟浩然 … 689~740。盛唐の詩人。襄(じょう)州襄(じょう)陽(よう)県(湖北省襄陽市襄州区)の人。名は浩、浩然は字(あざな)。若い頃、科挙に及第できず、諸国を放浪した末、郷里の鹿門山に隠棲した。四十歳のとき、都に出て張九齢や王維らと親交を結んだが、仕官はできなかった。その後、張九齢が荊(けい)州(しゅう)(湖北省)の長(ちょう)史(し)(地方長官の属官)に左遷されたとき、招かれて従(じゅう)事(じ)(輔佐官)となったが、まもなく辞任し、江南を放浪した末、郷里に帰ってまた隠棲生活に入り、一生を終えた。多く自然を歌い、王維と並び称される。「春眠暁を覚えず」で始まる「春暁」が最も有名。『孟浩然集』四巻がある。ウィキペディア【孟浩然】参照。
義公習禪寂
義(ぎ)公(こう) 禅(ぜん)寂(じゃく)を習(なら)い
  • 義公 … 禅僧の名。公は尊称。人物については不詳。
  • 禅寂 … 煩悩を除いて仏道の真理を悟ること。
  • 寂 … 『全唐詩』では「處」に作り、「一作寂」と注する。『宋本』では「處」に作る。
結宇依空林
宇(う)を結(むす)んで空林(くうりん)に依(よ)る
  • 結宇 … 庵をかまえる。
  • 宇 … 『全唐詩』では「構」に作り、「一作宇」と注する。『宋本』では「構」に作る。
  • 空林 … 人(ひと)気(け)のないひっそりとした林。劉宋の謝霊運「池上楼に登る」詩(『文選』巻二十二)に「禄(ろく)を徇(もと)めて窮(きゅう)海(かい)に反り、痾(やまい)に臥して空林に対す」(徇祿反窮海、臥痾對空林)とある。窮海は、遠い海。また、遠い辺鄙な土地。ここでは、謝霊運が太守として左遷された永(えい)嘉(か)郡(現在の浙江省温州市)を指す。ウィキソース「登池上樓」参照。
戸外一峯秀
戸(こ)外(がい) 一峰(いっぽう)秀(ひい)で
  • 戸外 … 戸口の外。
階前衆壑深
階前(かいぜん) 衆(しゅう)壑(がく)深(ふか)し
  • 階前 … 家にあがる階段の前。庭前。
  • 衆 … 『全唐詩』では「羣」に作り、「一作衆」と注する。『宋本』では「群」に作る。
  • 衆壑 … 多くの谷。
夕陽連雨足
夕陽(せきよう) 雨(う)足(そく)に連(つら)なり
  • 連 … 『全唐詩』には「一作照」と注する。『宋本』では「照」に作る。
  • 雨足 … 雨の線。日本語の「あまあし」ではない。
空翠落庭陰
空翠(くうすい) 庭陰(ていいん)に落(お)つ
  • 空翠 … 木々の緑色の形容。
  • 庭陰 … 庭のひかげ。
看取蓮花淨
蓮(れん)花(げ)の浄(きよ)きを看取(かんしゅ)して
  • 看取 … 見る。取は、動詞の意味を補足する助辞。
方知不染心
方(まさ)に知(し)る 不(ふ)染(ぜん)の心(こころ)
  • 方 … 『全唐詩』では「應」に作り、「一作方」と注する。『宋本』では「應」に作る。
  • 不染心 … 世俗の汚れに染まぬ清浄無垢な心。
テキスト
  • 『箋註唐詩選』巻三(『漢文大系 第二巻』、冨山房、1910年)※底本
  • 『全唐詩』巻一百六十(排印本、中華書局、1960年)
  • 『孟浩然詩集』巻上(宋蜀刻本唐人集叢刊、上海古籍出版社、1982年、略称:宋本)
  • 『孟浩然集』巻三(『四部叢刊 初編集部』所収)
  • 『孟浩然集』巻三(『四部備要 集部』所収、中華書局)
  • 『孟浩然集』巻二(明銅活字本、『唐五十家詩集』所収、上海古籍出版社、1989年)
  • 『孟浩然詩集』(元文四年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、129頁、略称:元文刊本)
  • 『孟浩然詩集』巻上(元禄三年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、163頁、略称:元禄刊本)
  • 『唐詩品彙』巻六十([明]高棅編、[明]汪宗尼校訂、上海古籍出版社、1982年)
  • 『唐詩別裁集』巻九([清]沈徳潜編、乾隆二十八年教忠堂重訂本縮印、中華書局、1975年)
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