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題義公禅房(孟浩然)

題義公禪房
こう禅房ぜんぼうだい
もう浩然こうねん
  • 〔テキスト〕 『唐詩選』巻三、『全唐詩』巻一百六十、『孟浩然詩集』巻上(宋蜀刻本唐人集叢刊、略称:宋本)、『孟浩然集』巻三(『四部叢刊 初編集部』所収)、『孟浩然集』巻三(『四部備要 集部』所収、略称:四部備要本)、『孟浩然集』巻二(『唐五十家詩集』所収)、『孟浩然詩集』(元文四年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、129頁、略称:元文刊本)、『孟浩然詩集』巻上(元禄三年刊、『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、163頁、略称:元禄刊本)、『唐詩品彙』巻六十、『唐詩別裁集』巻九、他
  • 五言律詩。林・深・陰・心(平声侵韻)。
  • ウィキソース「望洞庭湖贈張丞相」「孟浩然集 (四部叢刊本)/卷第三」参照。
  • 詩題 … 『宋本』では「題大禹義公房」に作る。『四部叢刊本』『四部備要本』では「大禹寺義公禪」に作る。『唐五十家詩集本』では「大禹寺義公禪房」に作る。『全唐詩』では「題大禹寺義公禪房」に作る。『元文刊本』『元禄刊本』『唐詩別裁集』では「題義公禪房」に作る。
  • 禅房 … 坐禅を修する部屋。
  • 孟浩然 … 689~740。盛唐の詩人。じょうよう(湖北省)の人。名は浩、浩然はあざな。若い頃、科挙に及第できず、諸国を放浪した末、郷里の鹿門山に隠棲した。四十歳のとき、都に出て張九齢や王維らと親交を結んだが、仕官はできなかった。その後、張九齢がけいしゅう(湖北省)のちょう(地方長官の属官)に左遷されたとき、招かれてじゅう(輔佐官)となったが、まもなく辞任し、江南を放浪した末、郷里に帰ってまた隠棲生活に入り、一生を終えた。多く自然を歌い、王維と並び称される。「春眠暁を覚えず」で始まる「春暁」が最も有名。『孟浩然集』四巻がある。ウィキペディア【孟浩然】参照。
義公習禪寂
こう ぜんじゃくなら
  • 義公 … 禅僧の名。公は尊称。人物については不明。
  • 禅寂 … 煩悩を除いて仏道の真理を悟ること。
  • 寂 … 『全唐詩』では「處」に作り、「一作寂」とある。『宋本』では「處」に作る。
結宇依空林
むすんで空林くうりん
  • 結宇 … 庵をかまえる。
  • 宇 … 『全唐詩』では「構」に作り、「一作宇」とある。『宋本』では「構」に作る。
  • 空林 … 人けのないさびしい林。
戸外一峯秀
がい 一峯いっぽうひい
  • 峯 … 「峰」の異体字。『唐詩別裁集』では「峰」に作る。
階前衆壑深
階前かいぜん しゅうがくふか
  • 階前 … 家にあがる階段の前。庭前。
  • 階 … 『宋本』『四部叢刊本』『四部備要本』『唐五十家詩集本』『元文刊本』『唐詩品彙』『唐詩別裁集』では「堦」に作る。異体字。
  • 衆 … 『全唐詩』では「羣」に作り、「一作衆」とある。『宋本』では「群」に作る。「羣」は「群」の異体字。
  • 衆壑 … 多くの谷。
夕陽連雨足
夕陽せきよう そくつらなり
  • 連 … 『全唐詩』には「一作照」とある。『宋本』では「照」に作る。
  • 雨足 … 雨の線。日本語の「あまあし」ではない。
空翠落庭陰
空翠くうすい 庭陰ていいん
  • 空翠 … 木々の緑色の形容。
  • 庭陰 … 庭のひかげ。
  • 陰 … 『宋本』『四部叢刊本』『唐五十家詩集本』『元文刊本』『唐詩別裁集』では「隂」に作る。異体字。
看取蓮花淨
れんきよきを看取かんしゅして
  • 看取 … 見る。取は、動詞の意味を補足する助辞。
方知不染心
まさる ぜんこころ
  • 方 … 『全唐詩』では「應」に作り、「一作方」とある。『宋本』では「應」に作る。
  • 不染心 … 世俗の汚れに染まぬ清浄無垢な心。
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