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侍宴安楽公主新宅応制(沈佺期)

侍宴安樂公主新宅應制
安楽(あんらく)公主(こうしゅ)の新宅(しんたく)に侍(じ)宴(えん)す 応制(おうせい)
沈(しん)佺(せん)期(き)
  • 七言律詩。仙・邊・川・懸・天(下平声先韻)。
  • ウィキソース「侍宴安樂公主新宅應制 (沈佺期)」参照。
  • 詩題 … 蘇頲に同題の詩がある。
  • 安楽公主 … 中宗の末娘。公主は皇女。ウィキペディア【安楽公主】参照。
  • 新宅 … 新しい別荘。
  • 侍宴 … 宴席に侍(はべ)ること。
  • 応制 … 天子の命令によって作られた詩文。南北朝の頃までは「応(おう)詔(しょう)」の用例が多い。唐代は則天武后の諱(いみな)「照(しょう)」の音を避けて「応制」を用いるようになった。皇太子・皇子の場合は「応令(おうれい)」「応(おう)教(きょう)」を用いる。
  • 沈佺期 … 656~714。初唐の詩人。字(あざな)は雲卿。相州内黄(河南省)の人。上元二年(675)、進士に及第。考功郎中となったが収賄罪で驩(かん)州(しゅう)(ベトナム)に流された。のち呼び戻されて中書舎人、太子少詹(せん)事(じ)に至った。宋之問とともに七言律詩の定型を作り出し、「沈宋」と呼ばれた。ウィキペディア【沈セン期】参照。
皇家貴主好神仙
皇(こう)家(か)の貴(き)主(しゅ) 神仙(しんせん)を好(この)み
  • 皇家 … 天子の一家。
  • 貴主 … 公主の尊称。安楽公主を指す。
  • 好 … 『全唐詩』には「一作學」と注する。
別業初開雲漢邊
別(べつ)業(ぎょう)初(はじ)めて開(ひら)く 雲漢(うんかん)の辺(へん)
  • 別業 … 別荘。西晋の石崇(せきすう)「思帰引の序」(『文選』巻四十五)に「晩節には更(あらた)めて放逸を楽しみ、篤く林藪(りんそう)を好み、遂に河陽の別業に肥(ひ)遁(とん)す」(晩節更樂放逸、篤好林藪、遂肥遁於河陽別業)とある。肥遁は、心に余裕をもって、俗世間を離れて住むこと。ウィキソース「思歸引序」参照。
  • 雲漢 … 天の川。
山出盡如鳴鳳嶺
山(やま)は出(い)でて尽(ことごと)く鳴鳳嶺(めいほうれい)の如(ごと)く
  • 鳴鳳嶺 … 長安の西方にあたる岐山にあった山の名といわれている。
池成不讓飮龍川
池(いけ)は成(な)りて飲(いん)竜(りょう)川(せん)に譲(ゆず)らず
  • 飲竜川 … 渭水のこと。
粧樓翠幌教春住
粧(しょう)楼(ろう)の翠幌(すいこう) 春(はる)をして住(とど)まら教(し)め
  • 粧楼 … 化粧するための楼。女性の住む楼閣。
  • 翠幌 … 緑色のとばり。
  • 「教~…」 … 「~(をして)…せしむ」と読み、「~に…させる」と訳す。使役の意を示す。
舞閣金鋪借日懸
舞(ぶ)閣(かく)の金(きん)鋪(ぽ) 日(ひ)を借(か)りて懸(か)く
  • 舞閣 … 舞を舞うための高殿。
  • 金鋪 … 門の扉につける環を下げるための黄金製の飾り。
敬從乘輿來此地
敬(つつし)んで乗(じょう)輿(よ)に従(したが)って此(こ)の地(ち)に来(きた)り
  • 乗輿 … 天子の乗り物。
稱觴獻壽樂鈞天
觴(さかずき)を称(あ)げ寿(じゅ)を献(けん)じて鈞天(きんてん)を楽(たの)しまん
  • 称觴 … 乾杯すること。
  • 献寿 … 杯をすすめながら人の長寿を祝う。
  • 鈞天 … 天上の音楽。公主の宴席で演奏される音楽をたたえて言ったもの。
テキスト
  • 『箋註唐詩選』巻五(『漢文大系 第二巻』、冨山房、1910年)※底本
  • 『全唐詩』巻九十六(排印本、中華書局、1960年)
  • 『沈佺期集』巻下([明]許自昌編、『前唐十二家詩』所収、万暦三十一年刊、内閣文庫蔵)
  • 『沈佺期集』巻四(明銅活字本、『唐五十家詩集』所収、上海古籍出版社、1989年)
  • 『文苑英華』巻一百七十六(影印本、中華書局、1966年)
  • 『唐詩品彙』巻八十二([明]高棅編、[明]汪宗尼校訂、上海古籍出版社、1982年)
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