送沙門弘景道俊玄荘還荊州応制(宋之問)
送沙門弘景道俊玄莊還荊州應制
沙門弘景・道俊・玄荘が荊州に還るを送る 応制
沙門弘景・道俊・玄荘が荊州に還るを送る 応制
- 五言律詩。莊・長・梁・郷(下平声陽韻)。
 - 沙門 … 僧侶。
 - 弘景 … 荊州玉泉寺の僧。
 - 道俊 … 不詳。
 - 玄荘 … 三蔵法師。
 - 莊 … 『全唐詩』等では「奘」に作る。
 - 応制 … 天子の命令によって作られた詩文。南北朝の頃までは「応詔」の用例が多い。唐代は則天武后の諱「照」の音を避けて「応制」を用いるようになった。皇太子・皇子の場合は「応令」「応教」を用いる。
 - 送沙門弘景道俊玄莊還荊州應制 … 『全唐詩』巻五十八に李嶠の作として収録、題下に「一作宋之問詩」と注する。
 - 宋之問 … 656?~712。初唐の詩人。字は延清。汾州(山西省汾陽市)の人。一説に虢州弘農県(河南省霊宝市)の人。上元二年(675)、進士に及第。則天武后に召されて楊炯とともに習芸館の学士となる。尚方監丞、左奉宸内供奉などを歴任した。玄宗の先天元年(712)、自殺を命じられて死んだ。沈佺期とともに七言律詩の定型を作り出し、「沈宋」と呼ばれた。『宋之問集』二巻がある。ウィキペディア【宋之問】参照。
 
三乘歸淨域
三乗 浄域に帰らんとし
- 三乘 … 衆生を乗せて悟りに導く三つの方法。ここでは三人の僧が乗り物に乗って帰って行くことにかけている。底本(『箋註唐詩選』)では「一乘」に作る。
 - 浄域 … 清浄な地域。すなわち寺を指す。
 
萬騎餞通莊
万騎 通荘に餞す
- 万騎 … 何万もの騎馬。ここでは見送る群臣百官。
 - 通荘 … 長安の大道。
 - 餞 … 餞別の宴を張る。
 
就日離亭近
日に就いて離亭近く
- 離亭 … 旅立つ人に対して送別の宴をする宿場。
 
彌天別路長
天に弥って別路長し
荊南旋杖鉢
荊南 杖鉢を旋らせば
- 杖鉢 … 錫杖と鉢盂。
 
渭北限津梁
渭北 津梁を限る
- 渭北 … 渭水の北、長安一帯。
 - 津梁 … 渡し場の橋。
 
何日紆眞果
何れの日か真果を紆い
- 真果 … 仏道の悟りを会得すること。
 
還來入帝郷
還り来って帝郷に入らん
- 帝郷 … 長安を指す。
 
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