史記 五帝本紀第一(高辛)
05 帝嚳高辛者、黃帝之曾孫也。高辛父曰蟜極、蟜極父曰玄囂、玄囂父曰黃帝。
帝嚳高辛は、黄帝の曾孫なり。高辛の父を蟜極と曰い、蟜極の父を玄囂と曰い、玄囂の父を黄帝と曰う。
- ウィキソース「史記/卷001」「史記三家註/卷001」参照。
- 帝嚳 … 伝説上の古代の帝王。五帝の一人。嚳は名。玄囂の孫。黄帝の曾孫。高辛は出身地の地名であるが、それを天子としての号とした。ウィキペディア【コク】参照。
自玄囂與蟜極、皆不得在位。至高辛即帝位。高辛於顓頊爲族子。
玄囂と蟜極とより、皆位に在るを得ず。高辛に至りて帝位に即く。高辛の顓頊に於ける族子たり。
高辛生而神靈。自言其名。普施利物、不於其身。聰以知遠、明以察微、順天之義、知民之急、仁而威、惠而信、脩身天下服。
高辛生れて神霊なり。自ら其の名を言う。普く施して物を利し、其の身に於いてせず。聡にして以て遠きを知り、明にして以て微なるを察し、天の義に順い、民の急を知り、仁にして威あり、恵にして信あり、身を脩めて天下服す。
- 脩身天下服 … 中華書局標点本では「脩身而天下服」に作る。
取地之財而節用之、撫教萬民而利誨之、曆日月而迎送之、明鬼神而敬事之。
地の財を取りて之を節用し、万民を撫教して之を利誨し、日月を暦にして之を迎送し、鬼神を明らかにして之に敬事す。
其色郁郁、其徳嶷嶷。其動也時、其服也士。
其の色は郁郁たり、其の徳は嶷嶷たり。其の動くや時あり、其の服や士なり。
帝嚳漑執中而徧天下、日月所照、風雨所至、莫不從服。
帝嚳、漑に中を執りて天下に徧く、日月の照す所、風雨の至る所、従服せざる莫し。
帝嚳娶陳鋒氏女、生放勛。娶娵訾氏女、生摯。
帝嚳、陳鋒氏の女を娶り、放勛を生む。娵訾氏の女を娶り、摯を生む。
帝嚳崩、而摯代立。帝摯立、不善。崩。而弟放勳立。是爲帝堯。
帝嚳崩じて、摯代りて立つ。帝摯立ちて、不善なり。崩ず。而して弟放勲立つ。是を帝堯と為す。
- 勲 … 「勛」に作るテキストもある。異体字。
- 堯 … 古代の伝説上の聖天子。名は放勲。舜を後継者として皇帝の位を譲った。ウィキペディア【堯】参照。
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