贈別(杜牧)
贈別
贈別・別れに贈る
贈別・別れに贈る
- 〔テキスト〕 『唐詩三百首』七言絶句、『全唐詩』巻523、他
- 七言絶句。情・成・明(平声庚韻)。
- ウィキソース「贈別 (多情卻似總無情)」参照。
- 贈別 … 「送別」に同じ。『全唐詩』『唐詩三百首』では「贈別二首其二」に作る。
- 杜牧 … 803~853。晩唐の詩人。京兆万年(陝西省西安市)の人。字は牧之。号は樊川。杜甫(老杜・大杜)に対し、小杜と称される。詩文集『樊川文集』がある。ウィキペディア【杜牧】参照。
多情却似総無情
多情は却って似たり 総て無情なるに
- 多情 … 感情が豊かで、感じやすいこと。
- 無情 … 感情が乏しいこと。
唯覚罇前笑不成
唯だ覚ゆ 罇前 笑いの成らざるを
- 覚 … 気づく。自覚する。
- 罇 … 酒壺。『全唐詩』『唐詩三百首』では「尊」に作る。
- 笑不成 … 哀しみのために笑顔を作ることができない。
蠟燭有心還惜別
蠟燭心有り 還って別れを惜しみ
- 心 … ろうそくの芯(心と同音)にかけている。
- 還 … 「かえって」と読み、「かえって」「意外にも」と訳す。還は「また」とも読むが、この場合、「ふたたび」「依然として」「引き続き」等の意味になるのでここではとらない。
替人垂涙到天明
人に替わって涙を垂れて天明に到る
- 替人 … 私に代わって。
- 天明 … 夜明け。
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