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遣懐(杜牧)

遣懷
遣(おも)いを懐(や)る
杜(と)牧(ぼく)
  • 〔テキスト〕 『唐詩三百首』七言絶句、『全唐詩』巻524、『才調集』、他
  • 七言絶句。行・輕・名(下平声庚韻)。
  • ウィキソース「遣懷(杜牧)」参照。
  • 遣懐 … 『才調集』では「題揚州」に作る。
  • 杜牧 … 803~853。晩唐の詩人。京(けい)兆(ちょう)万(ばん)年(ねん)(陝西(せんせい)省西安市)の人。字(あざな)は牧(ぼく)之(し)。号は樊川(はんせん)。杜甫(老(ろう)杜(と)・大(だい)杜(と))に対し、小(しょう)杜(と)と称される。詩文集『樊川(はんせん)文集』がある。ウィキペディア【杜牧】参照。
落魄江湖載酒行
江(こう)湖(こ)に落魄(らくはく)して酒(さけ)を載(の)せて行(ゆ)く
  • 落魄 … おちぶれること。「らくたく」とも。なお、「落魄」を「物事にこだわらず自由奔放なさま」と解釈する説もある。
  • 魄 … 『才調集』では「托」に作る。『全唐詩』には「一作托」と注する。
  • 江湖 … ここでは江南地方という程度の意。本来「江湖」には「(三江五湖の略として)川と湖」、「長江と洞庭湖一帯」、「世の中・世間」、「(中央に対する)地方」など、複数の解釈がある。なお、仏典では「ごうこ」と発音する。
  • 湖 … 『唐詩三百首』、『才調集』等では「南」に作る。『全唐詩』でも「南」に作り、「一作湖」と注する。
  • 載酒 … 酒樽・酒壺を船に積み込むこと。
楚腰纖細掌中輕
楚(そ)腰(よう) 繊細(せんさい) 掌中(しょうちゅう)に軽(かろ)し
  • 楚腰 … ほっそりした腰の楚の国の美女。
  • 繊細 … 『全唐詩』では「腸斷」に作り、「一作纖細」と注する。
  • 掌中軽 … 手のひらの上で舞うことができるほど軽い。漢の成帝の寵愛を受けた趙飛燕の故事をふまえたもの。「漢の成帝の趙飛燕身軽く、能く掌上の舞を為す(漢成帝趙飛燕身輕、能爲掌上舞)」(『独異志』巻中)。
十年一覺揚州夢
十(じゅう)年(ねん) 一覚(いっかく) 揚(よう)州(しゅう)の夢(ゆめ)
  • 十年 … 『樊川(はんせん)文集夾(きょう)注』には「一作三年」と注する。
  • 一覚 … 「一(ひと)たび覚(さ)む」とも訓読できる。
  • 揚州 … 今の江蘇省揚州市一帯。ウィキペディア【揚州市】参照。
贏得青樓薄倖名
贏(か)ち得(え)たり 青楼(せいろう)薄倖(はっこう)の名(な)
  • 贏得 … 結局得たのはただそれだけであった。
  • 贏 … 『全唐詩』には「一作占」と注する。『樊川(はんせん)文集夾(きょう)注』では「占」に作り、「一作贏」と注する。
  • 青楼 … 遊女屋。妓楼。
  • 薄倖 … ここでは浮気男の意。
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