>   漢詩   >   歴代詩選:晩唐   >   清明(杜牧)

清明(杜牧)

清明
清明せいめい
ぼく
  • 〔テキスト〕 『分門纂類唐宋時賢千家詩選』巻三、他
  • 七言絶句。紛(上平声文韻)、魂・村(上平声元韻)通用。
  • ウィキソース「清明 (杜牧)」参照。
  • この詩は、杜牧の詩文集である『樊川はんせん文集』や『全唐詩』には収録されておらず、杜牧の作ではないとの説もある。
  • 清明 … 二十四節気の一つ。春分から十五日目。陰暦の三月、陽暦で四月五日頃。人々は墓参に出かけたり、山野に出て酒宴を開くなどの習慣があった。ウィキペディア【清明】参照。
  • 杜牧 … 803~853。晩唐の詩人。けいちょうばんねん陝西せんせい省西安市)の人。あざなぼく。号は樊川はんせん。杜甫(ろうだい)に対し、しょうと称される。詩文集『樊川はんせん文集』がある。ウィキペディア【杜牧】参照。
清明時節雨紛紛
清明せいめいせつ あめ紛紛ふんぷん
  • 雨紛紛 … こぬか雨が降りしきる様子。
路上行人欲斷魂
じょう行人こうじん こんたんとほっ
  • 行人 … 旅人。杜牧を指す。『詩経』斉風・載駆の詩に「汶水ぶんすい湯湯しょうしょうたり、行人彭彭ほうほうたり」(汶水湯湯、行人彭彭)とある。汶水は、山東省泰山の東北を流れる川の名。斉と魯の国境付近にあり、汶河ともいう。湯湯は、水が盛んに流れるさま。彭彭は、道行く人の多いこと。ウィキソース「詩經/載驅」参照。また前漢の李陵「蘇武に与うる詩三首」(其二、『文選』巻二十九)に「行人往路をおもう、何を以てか我が愁いをなぐさめん」(行人懷往路、何以慰我愁)とある。ウィキソース「與蘇武 (嘉會難再遇)」参照。
  • 欲断魂 … 気が滅入ってしまう。
借問酒家何處有
借問しゃもんす しゅいずれのところにか
  • 借問 … 試しに尋ねてみること。
  • 酒家 … 酒屋。
牧童遙指杏花村
牧童ぼくどう はるかにゆびさす きょうむら
  • 牧童 … 牛飼いの少年。
  • 杏花村 … あんずの花咲く村。杏花村の位置については、安徽省貴池県杏花村と山西省汾陽県杏花村との二説ある。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行