泊秦淮(杜牧)
泊秦淮
秦淮に泊す
秦淮に泊す
煙籠寒水月籠沙
煙は寒水を籠め 月は沙を籠む
- 煙 … ここでは夕もや。夜霧。
- 籠 … たちこめる。この詩では「籠」字が2字出てきており、近体詩の禁止事項である「同字重出の禁止」をあえて犯している。
- 寒水 … 寒々とした川の流れ。ここでは秦淮河を指す。
- 月籠沙 … 月光が川辺の砂地をつつみこむように照らしている。月光と白い砂地との区別がつかない様子。
- 煙籠寒水月籠沙 … 「煙籠寒水」と「月籠沙」がいわゆる「句中対」となっている。
夜泊秦淮近酒家
夜 秦淮に泊して 酒家に近し
- 酒家 … 酒楼。
- 近 … 『又玄集』『文苑英華』では「寄」に作る。
商女不知亡國恨
商女は知らず 亡国の恨み
- 商女 … 酒楼の妓女。「停泊中の船中にいる商人の妻」という解釈もある。
- 亡国恨 … 陳の後主、陳叔宝(553~604)の恨み。後主は陳の最後の皇帝。酒色にふけり、政治を怠ったため、隋に滅ぼされた。ウィキペディア【陳叔宝】参照。
隔江猶唱後庭花
江を隔てて猶お唱う 後庭花
- 隔江 … 川の向こう岸。
- 後庭花 … 陳の後主が作った歌曲「玉樹後庭花」(『楽府詩集』巻四十七・清商曲辞)。ウィキソース「樂府詩集/047卷」参照。
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