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渡湘江(杜審言)

渡湘江
しょうこうわた
審言しんげん
  • 〔テキスト〕 『唐詩選』巻七、『全唐詩』巻六十二、『杜審言集』巻下(『前唐十二家詩』所収)、『杜審言集』巻下(『唐五十家詩集』所収)、『文苑英華』巻二百九十、『唐詩品彙』巻四十六、『唐詩別裁集』巻十九、趙宦光校訂/黄習遠補訂『万首唐人絶句』巻十一(万暦三十五年刊、内閣文庫蔵)、他
  • 七言絶句。遊・愁・流(平声尤韻)。
  • ウィキソース「渡湘江」参照。
  • 詩題 … 『文苑英華』『万首唐人絶句』では「發湘江」に作る。
  • 湘江 … 湘水ともいう。広西チワン族自治区に発して湖南省を北上し、しょうすいと合流して洞庭湖に注ぐ川。ウィキペディア【湘江】参照。
  • 神龍元年(705)、則天武后の寵臣だったちょうえき兄弟がクーデターで殺されたとき、これに連座して作者は峯州(今のベトナムのハノイ西北)に流された。この詩は、その途中、湘江を渡ったときの作。『新唐書』文芸伝上に「神龍の初め、張易之に交通するに坐して、峯州に流さる」(神龍初、坐交通張易之、流峯州)とある。ウィキソース「新唐書/卷201」参照。
  • 杜審言 … 645?~708。初唐の詩人。じょうよう(湖北省)の人。あざなは必簡。杜甫の祖父。咸亨元年(670)、進士に及第。李嶠、崔融、蘇味道とともに「文章四友」と呼ばれる。ウィキペディア【杜審言】参照。
遲日園林悲昔遊
じつ 園林えんりん 昔遊せきゆうかなしむ
  • 遅日 … うららかな春の日のこと。昼が長く、なかなか日が暮れないことから。『詩経』豳風ひんぷう・七月篇に「しゅんじつ遅遅ちちたり」(春日遲遲)とあるのに基づく。ウィキソース「詩經/七月」参照。
  • 園林 … 庭園の中の林。
  • 昔遊 … かつて遊んだ時のこと。昔の行楽。魏の文帝(曹丕)の「しつあたうるのしょ」(『文選』巻四十二)に「昔遊せきゆうついすれば、心目しんもくり」(追思昔遊、猶在心目)とある。ウィキソース「與吳質書」参照。
  • 悲 … 懐かしんで悲しいほど思う。『史記』高祖本紀に「ゆうきょうかなしむ」(游子悲故鄉)とある。ウィキソース「史記/卷008」参照。『万首唐人絶句』では「非」に作る。
  • 遲日園林悲昔遊 … 『文苑英華』では「他日林亭非舊遊」に作る。
今春花鳥作邊愁
こんしゅん ちょう へんしゅう
  • 今春 … 今年の春。
  • 花鳥 … 花や鳥。
  • 作辺愁 … 辺地にある身の愁いとなる。「辺愁」は、辺地にある身の憂愁。
獨憐京國人南竄
ひとあわれむ 京国けいこくひと 南竄なんざんせられ
  • 独憐 … ひとりわが身を憐れんでいるばかりだ。「憐」は、浅ましく思う。かわいそうに思う。
  • 獨 … 『文苑英華』では「自」に作る。
  • 京国人 … 都の人。「京国」は、みやこ。作者自身を指す。
  • 南竄 … 罪によって南方の土地に流されること。
不似湘江水北流
しょうこうみずほくりゅうするにざるを
  • 湘江水北流 … 湘江の水が北に向かって流れていること。
  • 不似 … 似ていない。自分はまったく逆である。
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