蓬萊三殿侍宴奉勅詠終南山(杜審言)
蓬萊三殿侍宴奉勅詠終南山
蓬萊三殿にて宴に侍し、勅を奉じて終南山を詠ず
蓬萊三殿にて宴に侍し、勅を奉じて終南山を詠ず
- 〔テキスト〕 『唐詩選』巻三、『全唐詩』巻六十二、『杜審言集』巻上(『前唐十二家詩』所収)、『杜審言集』巻上(『唐五十家詩集』所収)、『文苑英華』巻一百六十九、『唐詩品彙』巻五十七、『唐詩別裁集』巻九、他
- 五言律詩。邊・前・懸・烟・天(平声先韻)。
- ウィキソース「蓬萊三殿侍宴奉敕詠終南山應制」参照。
- 詩題 … 『全唐詩』『前唐十二家詩本』『唐五十家詩集本』『文苑英華』では「蓬萊三殿侍宴奉敕詠終南山應制」に作る。
- 蓬萊三殿 … 長安の東北にあった蓬萊宮のこと。この宮殿には三つの殿があったので蓬萊三殿と呼ばれた。
- 勅 … 勅命。
- 終南山 … 長安の南方にある山。
- 杜審言 … 645?~708。初唐の詩人。襄陽(湖北省)の人。字は必簡。杜甫の祖父。咸亨元年(670)、進士に及第。李嶠、崔融、蘇味道とともに「文章四友」と呼ばれる。ウィキペディア【杜審言】参照。
北斗挂城邊
北斗 城辺に挂り
- 北斗 … 北斗七星。
南山倚殿前
南山 殿前に倚る
- 南山 … 終南山。
雲標金闕迥
雲標 金闕 迥かに
- 雲標 … 雲の上。標は表。
- 金闕 … 天子の宮殿。
- 迥 … 「遠」と同じ。『唐五十家詩集本』『文苑英華』『唐詩品彙』では「逈」に作る。異体字。
樹杪玉堂懸
樹杪 玉堂懸る
- 樹杪 … 木のこずえ。
- 玉堂 … 美しい御殿。
半嶺通佳氣
半嶺 佳気通じ
- 半嶺 … 山の中腹。
- 佳気 … めでたい気。
中峰繞瑞煙
中峰 瑞煙繞る
- 中峰 … 中央に聳える峰。
- 峰 … 『文苑英華』『唐詩品彙』では「峯」に作る。異体字。
- 瑞煙 … めでたい雲煙。
- 煙 … 『唐詩選』『文苑英華』『唐詩品彙』『唐詩別裁集』では「烟」に作る。異体字。
小臣持獻壽
小臣 持して寿を献じ
- 小臣 … 臣下である作者が自分を謙遜していった言葉。
- 持 … 終南山を持して。
長此戴堯天
長しえに此に堯天を戴かん
- 堯天 … 堯帝のような聖天子。
- 堯 … 『唐五十家詩集本』『文苑英華』では「高」に作る。
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