>   唐詩選   >   巻七 七言絶句   >   蜀中九日(王勃)

蜀中九日(王勃)

蜀中九日蜀中九日しょくちゅうきゅうじつ
王勃おうぼつ     
  • 七言絶句。臺・杯・來(平声灰韻)。
  • 『全唐詩』巻56所収。ウィキソース「蜀中九日」参照。
  • 蜀中九日 … 『全唐詩』には、題下に「紀事作和邵大震、一作蜀中九日登玄武山旅眺」との注がある。
  • 蜀中 … 蜀の地。蜀は四川省地方の別称。
  • 王勃 … 649~676。初唐の詩人。こうしゅう竜門(山西省しん県)の人。あざなは子安。王績の兄である王通(おうとう・おうつう、文中子)の孫。初唐四傑(王勃・楊炯・盧照鄰・駱賓王)の一人に数えられる。ウィキペディア【王勃】参照。
九月九日望郷臺
がつここの ぼうきょうだい
  • 九月九日 … 「きゅうげつきゅうじつ」と読んでもよい。重陽の節句。この日のならわしとして、小高い丘に登り、茱萸を髪にかざし、菊の花を浮かべた酒を飲むなどして一年の厄払いをする習慣があった。菊の節句。
  • 望郷台 … 玄武山(蜀の東部にあるという)にある高台の名。あるいは隋の蜀王、楊秀が築いた四川省成都の北部にあった高台をいう。または固有名詞ではなく、「きょうを望む台」と読む程度なのかもしれない。
他席他郷送客杯
せききょう かくおくさかずき
  • 他席他郷 … よその土地での他家の宴席。「他郷他席」を平仄の関係から言い換えている。
  • 他 … 底本では「佗」に作るが、諸本に従い改めた。同義。
  • 送客杯 … 「かくおくるのはい」とも読む。
人情已厭南中苦
にんじょう すでいとう なんちゅう
  • 人情 … 私の気持ち。作者自身の情を指す。『文苑英華』では「今日」に作る。
  • 情 … 『全唐詩』には「一作今」との注がある。
  • 已厭 … もうあきあきしている。
  • 南中 … 南の土地。南の地方。ここでは蜀の地を指す。
  • 苦 … ここでは味気なさ。つまらなさ。
鴻鴈那從北地來
鴻雁こうがん なんほくよりきた
  • 鴻雁 … がん。「鴻」はがんの中で最も大きい。
  • 鴻 … 『全唐詩』には「一作鳴」との注がある。
  • 那 … 「なんぞ」と読む。どうして。
  • 北地 … 北の地方。作者の故郷の山西省、または都の長安を指す。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
漢詩 詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行