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杜侍御送貢物戯贈(張謂)

杜侍御送貢物戯贈侍御じぎょ 貢物こうぶつおくる、たわむれにおくる)
ちょう     
  • 七言律詩。難・壇・冠・寒・看(平声寒韻)。
  • 杜侍御 … 人物については不明。「侍御」は官名。侍御史。官吏の違法を摘発する監察官。
  • 貢物 … 貢ぎ物。
  • 戯贈 … 杜侍御が南方からの貢ぎ物を護送する使者となったのに対し、作者が労をねぎらいつつ、多少ふざけた口調で詩を贈っている。
  • 張謂 … 721~784?。盛唐の詩人。河南省沁陽しんようの人。あざな正言せいげん。ウィキペディア【張謂】参照。
銅柱朱崖道路難
銅柱どうちゅう 朱崖しゅがい 道路どうろかた
  • 銅柱 … 後漢の馬援ばえんが今のベトナムの北方を征伐したとき、漢との国境を示すために立てた柱。ウィキペディア【馬援】参照。
  • 朱崖 … 漢代に置かれた郡名。今の海南島けい州の地方。「珠崖」とも。
伏波橫海舊登壇
伏波ふくは 横海おうかい だんのぼれり
  • 伏波 … 「伏波将軍」の略。漢代、南方征伐の将軍の名称。
  • 横海 … 「伏波」と同じく、南方征伐の将軍の名称。
  • 旧 … その昔。
  • 登壇 … 将軍を任命するとき、壇上に登って行われた儀式。
越人自貢珊瑚樹
越人えつじんみずかこうす 珊瑚さんごじゅ
  • 越人 … 南越の住民。今の広東省・広西チワン族自治区地方の住民。
  • 自貢 … 自発的に貢ぐ。
漢使何勞獬豸冠
漢使かんしなんろうせん 獬豸かいちかん
  • 漢使 … 朝廷の使者。
  • 労 … わずらわす。
  • 獬豸冠 … 侍御史のかぶる冠。「獬豸」は神獣の名。獬豸の姿を冠のかざりとした。ウィキペディア【カイチ】参照。
疲馬山中愁日晩
疲馬ひば 山中さんちゅうるるをうれ
  • 疲馬 … 疲れた馬。
孤舟江上畏春寒
孤舟こしゅう 江上こうじょうはるさむきをおそ
  • 孤舟 … 一そうの舟。
  • 江上 … 大きな川の上。
由來此貨稱難得
由来ゆらい  がたしとしょう
  • 由来 … もともと。昔から。元来。
  • 此貨称難得 … 『老子』三章に、「がたきのたっとばざれば、たみをしてとうさざらしむ」(不貴難得之貨、使民不爲盗)とあり、「手に入れることのむずかしい珍宝などを無暗に尊んだりしなければ、人民が盗みをはたらくようなことはなくなる」という意をふまえて風刺している。
多恐君王不忍看
多恐おそらくは 君王くんのう るにしのびざらん
  • 多恐 … おそらく。たぶん。「まさおそる」とも読む。
  • 不忍看 … 御覧になるようなお気持ちをおこされない。
唐詩選
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巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句 巻八 七言絶句
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