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㴩湖山寺(張説)

㴩湖山寺よう山寺さんじ
ちょうえつ     
  • 七言律詩。生・聲・情・明・纓(平声庚韻)。
  • 㴩湖 … 岳州(今の岳陽)の南にある湖。
  • 張説 … 667~730。盛唐の詩人。あざなは道済。ウィキペディア【張説】参照。
空山寂歴道心生
空山くうざん寂歴せきれきとして道心どうしんしょう
  • 空山 … 人けのないさびしい山。
  • 寂歴 … 音もなく、人かげもなくひっそりとしているさま。寂寞に同じ。
  • 道心 … 仏教を信じ悟りを得ようとする心。
虚谷迢遙野鳥聲
虚谷きょこく迢遥ちょうようたり ちょうこえ
  • 虚谷 … 人けのない谷。
  • 迢遥 … 遠くはるかなこと。
禪室從來塵外賞
禅室ぜんしつ従来じゅうらい 塵外じんがいしょう
  • 禅室 … ここでは作者が訪れた山寺を指す。
  • 塵外賞 … 俗塵を離れた趣きを欣賞すること。「塵外」は底本では「雲外」に作るが、『全唐詩』に従い改めた。
香臺豈是世中情
香台こうだいあに世中せちゅうじょうならんや
  • 香台 … 寺のこと。
  • 世中情 … 世俗の感情。
雲間東嶺千尋出
雲間うんかん東嶺とうれい 千尋せんじん
  • 雲間東嶺 … 雲間くもまに見える東の峰。
  • 千尋 … 非常に高いこと。「尋」は長さの単位で、一尋は約1.8メートル。「尋」は底本では「重」に作るが、『全唐詩』に従い改めた。
樹裏南湖一片明
樹裏じゅり南湖なんこ 一片いっぺんあきらかなり
  • 樹裏南湖 … 木々のすきまから望む南湖。「南湖」は㴩湖を指す。
  • 一片 … そのあたり一帯。「ひと切れ」の意味ではない。
若使巢由同此意
巣由そういうをしておなじうせしめば
  • 巣由 … 巣父そうほ許由きょゆう。ともに堯の時代の隠者。「巣父」は樹上に巣を作って寝たという。「そうふ」とも。「許由」についてはウィキペディア【許由】参照。
  • 同 … 『全唐詩』では「知」に作る。
  • 此意 … 今、自分がひたっている気持ち。
不將蘿薜易簪纓
蘿薜らへいって簪纓しんえいえざりしならん
  • 蘿薜 … つたかずら。転じて、隠者の衣服。
  • 簪纓 … 冠をとめるかんざしと、冠のひも。転じて、官吏の身分を意味する。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句 巻八 七言絶句
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