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㴩湖山寺(張説)

㴩湖山寺
ようさん
ちょうえつ
  • 七言律詩。生・聲・情・明・纓(平声庚韻)。
  • 㴩湖 … 岳州(今の岳陽)の南にある湖。
  • 張説 … 667~730。初唐の詩人、政治家。あざな道済どうさい、またはえつ。洛陽(河南省)の人。永昌元年(689)、賢良方正科の科挙に主席で合格。太子校書郎から鳳閣舎人、中書令(宰相)などを歴任し、えん国公に封ぜられた。『張説之文集』二十五巻がある。ウィキペディア【張説】参照。
空山寂歴道心生
空山くうざん寂歴せきれきとして道心どうしんしょう
  • 空山 … 人けのないさびしい山。
  • 寂歴 … 音もなく、人かげもなくひっそりとしているさま。寂寞に同じ。
  • 道心 … 仏教を信じ悟りを得ようとする心。
虚谷迢遙野鳥聲
虚谷きょこく迢遥ちょうようたり ちょうこえ
  • 虚谷 … 人けのない谷。
  • 迢遥 … 遠くはるかなこと。
禪室從來塵外賞
禅室ぜんしつ従来じゅうらい 塵外じんがいしょう
  • 禅室 … ここでは作者が訪れた山寺を指す。
  • 塵外賞 … 俗塵を離れた趣を欣賞すること。「塵外」は底本では「雲外」に作るが、『全唐詩』に従い改めた。
香臺豈是世中情
香台こうだい世中せちゅうじょうならんや
  • 香台 … 寺のこと。
  • 世中情 … 世俗の感情。
雲間東嶺千尋出
雲間うんかん東嶺とうれい 千尋せんじん
  • 雲間東嶺 … 雲間くもまに見える東の峰。
  • 千尋 … 非常に高いこと。「尋」は長さの単位。一尋は周尺の八尺で、約一八〇センチメートル。「尋」は底本では「重」に作るが、『全唐詩』に従い改めた。
樹裏南湖一片明
樹裏じゅり南湖なんこ 一片いっぺんあきらかなり
  • 樹裏南湖 … 木々のすきまから望む南湖。「南湖」は㴩湖を指す。
  • 一片 … そのあたり一帯。「ひと切れ」の意味ではない。
若使巢由同此意
巣由そういうをしておなじうせしめば
  • 巣由 … 巣父そうほ許由きょゆう。ともに堯の時代の隠者。「巣父」は樹上に巣を作って寝たという。「そうふ」とも。「許由」についてはウィキペディア【許由】参照。
  • 同 … 『全唐詩』では「知」に作る。
  • 此意 … 今、自分がひたっている気持ち。
不將蘿薜易簪纓
蘿薜らへいって簪纓しんえいえざりしならん
  • 蘿薜 … つたかずら。転じて、隠者の衣服。
  • 簪纓 … 冠をとめるかんざしと、冠のひも。転じて、官吏の身分を意味する。
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