恩勅麗正殿書院賜宴応制得林字(張説)
恩勅麗正殿書院賜宴應制得林字
恩勅ありて麗正殿の書院にて宴を賜い、応制 林の字を得たり
恩勅ありて麗正殿の書院にて宴を賜い、応制 林の字を得たり
- 五言律詩。林・心・深・音(平声侵韻)。
- 詩題 … 『全唐詩』では「恩制賜食於麗正殿書院宴賦得林字」に作る。
- 麗正殿書院 … 宮中にあった学問所。
- 応制 … 天子の命令によって詩文をつくること。
- 得林字 … 韻字をくじ引きで分けて作らせた。林の字にあたった。
- 張説 … 667~730。初唐の詩人、政治家。字は道済、または説之。洛陽(河南省)の人。永昌元年(689)、賢良方正科の科挙に主席で合格。太子校書郎から鳳閣舎人、中書令(宰相)などを歴任し、燕国公に封ぜられた。『張説之文集』二十五巻がある。ウィキペディア【張説】参照。
東壁圖書府
東壁 図書の府
- 東壁 … 文章をつかさどる星の名。二十八宿の一つ。
西園翰墨林
西園 翰墨の林
- 西園 … 魏の曹植が鄴に築いた庭園の名。
- 園 … 『全唐詩』には「一作垣」とある。
- 翰墨 … 筆と墨。文学のこと。
誦詩聞國政
詩を誦しては国政を聞き
- 詩 … 詩経。
講易見天心
易を講じては天心を見る
- 易 … 易経。
- 天心 … 天の本質。
位竊和羹重
位は和羹の重きを窃み
- 和羹 … ここでは君主を補佐して政務を上手に司る宰相。
恩叨醉酒深
恩は酔酒の深きを叨りにす
載歌春興曲
載ち春興の曲を歌わん
- 載 … 『全唐詩』では「緩」に作り、「一作載」とある。
- 春興曲 … 春の感興をこめた曲。
情竭爲知音
情の竭くるは知音が為なり
- 知音 … 自分の本心を正しく理解してくれている友。ここでは玄宗を指す。
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